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◇.
「待って。まるで私が喜んで2人について行ったみたいになってるけど、私はちゃんと拒否したもの。
意図して行ったわけじゃないのに、そう言われる筋合いはないと思う。」
なんだか私が責められているような気がして思わず反論したの。
だってこの事は事実だし。
むしろ私は被害者と言っては過言ではないはず。
「アーヤ、よく聞いて、」
黒木くんがその薄い唇を開いて言葉を紡ぐ。
その伏せられた瞼から覗く瞳は、黒い。
「確かに今回の事は仕方がないとも言える。
防ぎようがないことだったかもしれない。
けれど、今後の対策は出来る。逃げるでもなんでも。
そうだね?」
うぅむ、何だか黒木くんが言うとどうも説得力があって頷いてしまいそうになる。
「よし、じゃあルールを決めよう。
今までは美門に監視係の役目を与えていたが、流石に美門だけでは人手不足だと言うことが今回判明した。
だが、浜田生は他にいないためどうにもできない。
そこでアーヤに新たに任務を与える。
砂原と片山になるべく近付かないこと、そして何か起こりそうな予感がしたら全力で逃げること。
2人の妙な動きに細心の注意を払え、分かったな。」
さも当然かのように発言し、満足気な表情を浮かべて天井を見上げる若武。
でも、待って。引っかかることがありすぎる!
「翼が監視係ってどういうこと?!」
驚いて思わず机に手をついて、その場に立ち上がったんだ。
だって私、そんなこと知らない…!
「そのままの通り。2人がアーヤに害を加えないように監視する係だ。」
その時、その若武の言葉を聞いて私の頭の中でぷつん、と何かが切れたんだ。
「そんな係、いらない。必要ないわ。
そもそも砂原と悠飛は私に害を与えたりしないもの、そんな無駄な注意を払うことが無駄!」
だって2人は、今まで色々あった仲ではあるし、砂原に至っては結婚寸前のところまで行った。
けれど、2人が私にとってマイナスなことをしてきたことはない。
沢山からかわれたりもしたけれど、それは2人の優しさと気前の良さの証。
それを踏みにじるようなこと、私にはできない!
「学校生活くらい私1人で何とかなるし、kzが大事だということは変わらない。
だからそんな風に私の大事な友達を悪く聞こえるように言うのはやめて。」
一気にまくし立てるように話した私。
そんな私を見て膨れっ面の若武に、まだ怒りのような感情を抑えられない私に、黒木くんが声をかけたの。
◇.
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清霞(プロフ) - はるはるさん» はるちゃーん( ; ; )有難う、楽しんでもらえたみたいで良かったです!コメント有難う* (2019年1月29日 21時) (レス) id: 61be4c1b32 (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - さやかちゃん、ダリアの花束を贈る。完結お疲れ様です。どのお話も好みで、とても面白かったよ。更新される度にワクワクしながら読んでいました。本当にお疲れ様-* (2019年1月27日 20時) (レス) id: 91ccc51c14 (このIDを非表示/違反報告)
清霞(プロフ) - Wings(心渚)さん» みなちゃんありがとう、更新はめちゃめちゃ遅いけどのんびり待ってくれてると嬉しいです* (2018年12月25日 19時) (レス) id: 61be4c1b32 (このIDを非表示/違反報告)
Wings(心渚)(プロフ) - 清霞さん» やっぱこのお話好きだわ笑頑張ってね、応援してます。 (2018年12月25日 18時) (レス) id: ce1217488b (このIDを非表示/違反報告)
清霞(プロフ) - 沙也加さん» わー、ありがとうございます( ; ; )やっぱりkzのわちゃわちゃはいいですよね…!もっとわちゃわちゃシリーズを書けるように頑張ります、閲覧にコメント有難うございました* (2018年12月8日 14時) (レス) id: 61be4c1b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:清霞 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/somerina021/
作成日時:2018年10月8日 10時