ダリアの花束を贈る。【KZ】

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◇.



「ふぅー、やっと終わった…!!」


なんとか料理が完成し、その場でぐったりするマリン。

私たちが料理している間、マリンは翼や忍が変に人操作したり野菜の切り方を間違えないように、ずっと目を光らせていたの。


私に至っては2,3度ほど包丁で手を切りそうになったりしたところを助けてもらったんだ。


そりゃあ疲れるよね。ごめんね、でもありがと。



「でも最下位は免れたみたいだね。」


翼の言葉に反応してちらっと横を見る私たち。

そう、私たちは初めはリードしていたものの、やはり足手まといが多いため中々作業が進まず、次々と抜かされて行ってしまったんだ。

けれど、何とか私たちは最下位にならずに、最下位から二番目。


最下位の班は隣の班で、班員が全員男子、それも体育会系で料理なんて縁がなさそうな四人組。


申し訳ないんだけれど、私達は彼らがいたおかげで最下位は免れることができそう！


「じゃ、さっさと食べて片付けよう。」


「そうだね。」


実際ここで勝負は決まってなくて、最終的な先生の最終チェックで最下位などは決まるからあまり気は抜けない。


せっせとお椀によそい、席に着いた私達。

マリンのいただきます、という声を合図に、もくもくと白い湯気が上がる器に手を伸ばしてゆっくりと口へ運び始めた。





◇ ◇ ◇




「すっごく美味しいね。」

「うん、すっごくね。」

「けど、さぁ…」



「もう入らない…」


…そう、すごく量が多かった。


私とマリンは小食というわけでもないけれど、やっぱり女子ということもあって班の中では少ない方。


翼は普段から運動するということもあって人よりも食べるのだけれど、今回は少なめ。

今回男子は調理実習前にお菓子パーティーをしたらしく、そのせいで翼は食べる前からある程度はお腹が満たされていたんだって。


そして忍はもちろん、その細い体系から想像が付くように小食で一番はやくギブアップして倒れ込んでた。



…つまり、私たちの班は食べ終わるのに時間がかかる。



「ラスト4人で分けるぞ…」


マリンがお玉を手にとり残りを4人全員の器に流し込んだ。

翼の器だけ私たちより少し気持ち多めに入っているのは…きっと気のせいだろう。



3,4分かけてラストを食べきった私たち。
すっごくお腹が苦しい、なんならスカートのアジャスターを今すぐにでも緩くしたいくらい。





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