あなたは浮気性 【三途春千夜】

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ゆっくり、春千夜さんは話してくれた。






私に言ったら嫌われるかもしれないとか、離れてしまうかもしれないとか、そんな、少し子供じみた言い訳を挟みながら。








私が生きてる社会とは逆の社会で生きていること。



人なんて何人も殺してきたこと。殺すことなんて、もう簡単だってこと。




浮気は、仕事関係の女の人が契約する組織の令嬢だったり、殺す相手だったってこと。


私と付き合ってから、体の関係は減らしていたけど、これからはしないって約束。



悪い薬も、たくさんしてきてること、全部、全部、長い間、私はただ春千夜さんの私に伝えたいことを頷いて聞いた。








怖くないのかと聞かれたら、そんなわけないと答える。




私は誰かを教育すべき人間で、私の大好きなこの大きな手が誰かの命を奪っているなんて、本当は考えたくもない。


殺すの文字が、酷く重たい。






だけど、正直そんなことも、この短時間で想像していたことだった。






蘭さんと竜胆さんがこの人のことを上司だと言った。




きっと私と出会う前から、この人はここにいて、そんな道を辿る運命だったのだと、思うしか無かった。








人を殺していたって、今後私の教え子がこの人の手て殺されたって、私はきっと、あなたを許して愛してしまうんだと、話を聞きながら確信してしまった。





所詮私もダメな人間なんだ。








最後に一言、私の手を片方の手で握って、目元を隠しながら、嫌わないでくれと震えた声で発したあなたを見て、怖いだとか今までのことだとかこれからのことだとか全部どうでも良くなった私こそ、嫌わないで欲しい。











子供が大変な目にあうかもしれないなんてそんなことすら、大丈夫だと言える自信があった。









ただ、浮気症だと思っていたこの人が、本当は私を心から愛していて、プライドも全部投げ捨てて私に愛されたい人だという、そんな事だけがはっきりわかった。




もうそれだけで良かった。
















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