*期待* ページ35
ペトラの話を聞き終わるとタイミングよくハンジさんに声をかけられた
「エルヴィンが呼んでるよ。団長室に来てほしいって」
ハンジさんはそれだけを言うと忙しそうにモブリットさんとどこかへ行ってしまった
そして私はペトラたちと別れ、急いで団長室に向かった
「Aです」
扉をノックをしてそう言うと、「入れ」と言う声が聞こえてきて私は中に入った
「失礼します。エルヴィン団長お疲れ様です」
「あぁ、お疲れ様。急に呼んですまない。今日の活躍をミケたちから聞いたよ。初陣とは思えない成績だ」
そう言うエルヴィン団長は椅子に座っていた
「ありがとうございます。…それで何かご用でしょうか?」
恐る恐る聞くと、エルヴィン団長は首を振った
「バタバタしていてあまり君とゆっくり話せなかったから話せたらと思ってな。兵団での生活は慣れたかい?」
「はい。まだ私を快く思わない方もいますが、ミケさんの班の方々は私を快く受け入れて下さりました」
「そうか。噂には惑わされない精鋭達だからな。君をミケの班に入れたのも精鋭として活躍してもらう為だ」
そう言うとエルヴィン団長は椅子から立ち上がり、窓の外を見た
「君も今日初めて巨人と対面したと思うが、我々はあの巨人に奪われた自由を取り戻す為にこの命を捧げて戦い続ける。壁の中で生きる人類にとって大切な矛だ。我々は決してこれを失ってはならない」
重い空気が流れ、私は息を呑んだ
「壁外調査をよく思わない人々は沢山いる。毎回壁外調査の資金援助を求めるのは苦労するんだ」
そう言ったエルヴィン団長は苦笑いをしていた
「だが、死んでいった仲間たちの為にも我々調査兵団は進み続ける」
エルヴィン団長の瞳はいつもどこか遠くを見ているといつも思っていたが、私はこの時やっと分かった気がした
この人は人類の為なら大切な仲間を失うことに躊躇はしない
そんな人だからこそこの調査兵団の兵士をまとめ上げることができるのだ
リヴァイもきっとそんなエルヴィン団長だからこそついて行こうと思ったんだ
「私は人類の為に心臓を捧げた身です。絶対に巨人から自由を取り戻してやりましょう。」
つい出てしまった言葉に私自身も驚いたが、エルヴィン団長は私を見てまた優しく微笑んだ
「君がこの兵団に来てくれて本当に良かった。ありがとう」
私はその言葉を聞いてより自分が期待されていることに改めて実感した
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作者名:兵長大好き女子です! | 作成日時:2021年1月25日 15時