40.マヨ ページ41
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「ほれ、ぱーぱだ、言ってみ?」
「違うアル、かーぐーヨ」
「変なこと教えんじゃねぇよっ!」
「2人とも、みっともないですよ。
ぱ、ぱーちは、言えますかね」
「どさくさに紛れて何言ってやがんだ!」
「ぱぁ」
「ぱだ!もっかい!もっかいいける!」
朝から騒がしい理由は
首も座りきって1人で座っている桜が喃語を話し始めたから。
なんか喋ってるーをここ最近続け、
今日、そろそろ言葉教えてみる?というノリから。
そんな騒がしい万事屋に1人の客。
「万事屋ー」
「あ”ぁ?俺たちゃ今忙しいんだよ!」
「この間桜預かった時の忘れもんだ」
「てんめ、軽々しく桜の名前を呼ぶんじゃねぇよマヨ方!」
「マヨは関係ねぇだろマヨは!マヨバカにしてんじゃねぇよ」
「マヨバカにしてんじゃなくててめぇの脳みそバカにしてんだ味噌マヨが!」
「・・・まぁ、よ・・・まー、ぁよー」
とてつもなくうるさかったその場が
一瞬にして凍りつく。
今、なんつった?
「桜にもマヨの良さが伝わったみてぇだな」
「おいぃぃぃぃぃぃぃぃい!
初めての言葉!大切な!初めての!マヨって!てんめ、おめぇのせいだぞ!」
「これで桜も立派なマヨラーになること確定だな」
よしよしーと桜をだっこするマヨ方。
それに何だか嬉しそうな表情をする桜。
いや何やってんだ。
思いっきり土方くんから桜を取り上げる。
「あぶねぇだろ!落ちたらどうすんだ!」
「俺ァ大切な娘落とさねぇし!
用が済んだなら早く帰れ!一生許さねぇからな!」
あぁ、全ての記憶を消し去りたい。
全てなかったことにしてくれ。
未だに放心状態の神楽と新八を横目に
瞳孔ガン開きマヨ方くんはそそくさと帰って行った。
最初から早く帰らせときゃ良かった。
「・・・何か、あったっケ?
あれ?私たち、何してたんダッケ?」
「何も無かった。・・・何も無かったですよね」
さすがに、初めての言葉がマヨなのは誰も納得がいかねぇようで
全員現実逃避に向かい始める。
あとは土方くんが忘れてくれれば大丈夫だ。
「・・・とりあえず、タイムマシン探すぞ。
待ってろ桜。何とかして純情な桜ちゃんに戻してやっから」
「何言ってるネ。桜は純情よ。
あれ?目からマヨネーズが」
「侵されてるよ!全員侵されて変になってるよ!」
・・・桜が発した初めての言葉は、マヨでした。
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うさきよ - 感動して、涙ぐんでしまいました…。すごく良いお話です!! (7月27日 1時) (レス) @page39 id: 55ad19f9cc (このIDを非表示/違反報告)
凛 - とても良かったです! (2022年12月14日 17時) (レス) @page48 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - rusa737さん» コメントありがとうございます!面白いけれどやっぱりバッドエンドに当たるので少ない設定ですよね…今後の新作にもまた活用させていただきます!ありがとうございます! (2021年5月8日 2時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
rusa737(プロフ) - 通学の電車の中で読んでたんですけどめっちゃ感動しました…!夢主がしぬ設定好きなんですけど余り無いから新鮮かつめっちゃどストライクに刺さりました!!!これからも応援してます…! (2021年5月7日 17時) (レス) id: 34286106cd (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 常夏さん» コメントありがとうございます!完結もありがとうございました!わーい!桜ちゃんが出てくる回も気になりますよねぇ!良く考えてみます!! (2021年4月4日 20時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2021年3月1日 0時