11.病気 ページ11
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それは、ゆっくりと私の臓器を蝕んで
それは、ゆっくりと私の体を壊すという。
それでも最後に、脳と心臓を残していく。
私はまさに植物状態。
そしてそれも、延命治療したとて1年ほどで消える命となる。
要するに、そういう事だった。
そうか、そうやって、私は死ぬんだ。
命を延ばすことしか出来ないこの病気は、死ぬ確率が100パーセント。
なんだ、その数字。
｢今はゆっくり、現実と向き合ってください｣
そう言ったお医者さんの表情は、なんだか辛そうだった。
ただの、軽い貧血だと、
ただ何か、栄養でも足りてないんだと。
そんな、軽いことだと考えていたのに。
私は、死ぬんだ。
入ってきた土方さんはとても辛そうで
もしかしたら、会話が聞こえていたのかも。
｢･･･土方さん、私、死ぬんだそうです。
ゆっくりと、体が機能しなくなって、いつ死ぬかも分からない。
･･･いつの間に、そんな体になってたんでしょう｣
｢･･･万事屋には、なんて言う｣
銀時、銀時に言ったらきっと泣いてしまう。
絶対に涙を流さない銀時でも
きっと、私が死ぬなんて言ったら泣いてしまう。
私はゆっくり首を横に振った。
｢･･･言わないでください｣
辛そうに泣いて、毎晩、私を抱きしめながら苦しむ銀時が目に浮かぶ。
私のために笑っていても、ふとした時に泣きそうになる銀時が。
だって、私すっごく愛されてる。
そんな無駄な自信がある。
毎晩してくれるキスは柔らかくて温かくて
私を抱く銀時は優しくて、
ふわりと笑うその顔も、ニヤリと笑うその顔も
いじけた唇も寝ぼけた瞳も、全部私のものだもの。
全部、銀時が私のためにくれたものだもの。
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うさきよ - 感動して、涙ぐんでしまいました…。すごく良いお話です！！ (7月27日 1時) (
レス) @page39 id: 55ad19f9cc (このIDを非表示/違反報告)
凛 - とても良かったです！ (2022年12月14日 17時) (レス) @page48 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - rusa737さん» コメントありがとうございます！面白いけれどやっぱりバッドエンドに当たるので少ない設定ですよね…今後の新作にもまた活用させていただきます！ありがとうございます！ (2021年5月8日 2時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
rusa737(プロフ) - 通学の電車の中で読んでたんですけどめっちゃ感動しました…！夢主がしぬ設定好きなんですけど余り無いから新鮮かつめっちゃどストライクに刺さりました！！！これからも応援してます…！ (2021年5月7日 17時) (レス) id: 34286106cd (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 常夏さん» コメントありがとうございます！完結もありがとうございました！わーい！桜ちゃんが出てくる回も気になりますよねぇ！良く考えてみます！！ (2021年4月4日 20時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい | 作成日時：2021年3月1日 0時
