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45.世界に一つだけ ページ45






「非番だ〜」


「どっか行くのか」


「総悟!私今日非番なの!」


「さっき聞いた」


「旦那のところ行こうかな」


「なんでぃ、非番に旦那のとこ行くなんざ

どんだけ好きなんでィ」


「そういうことじゃないの。

これね、この間お妙さんから借りてたの」



非番のため、着物に着替えて叫んでいれば

どこからか総悟が登場。


いつだったか潜入調査した時に

お妙さんに借りてザキが私に使ったメイク道具を見せる。


返そうとしててんやわんやで返せずにいた。



「お妙さんに返すのが礼儀なんだけど

新八君が返しておきますよって」



そうかィそうかィと興味なさそうに答える総悟にそうそうと返事を返す。


それから私のことをじっと見てくるもんだから

反射的に見返してしまう。



「なに」


「…いや、そういやお前、あの簪どうしたんでィ」



あの簪、とは、

少しの間考えてから、あぁ、と声を出す。


昔から、誕生日というものがそんなに好きじゃなくて

何もいらないと言っていたんだけど

そんなわけにいくかと、いつもの上司トリオからもらったプレゼント。


それまでもなんだかんだもらっていたんだけど

上京する時にこれくらい持っとけともらったもの。


さすがに断れなかったし、何よりも嬉しかったし

もったいなくて一度もつけてない。



「もったいないんだもん」


「はぁ?お前、もしかしてそれで一回もつけてねぇんじゃ…」


「そうだよ。だって大事なんだもん」


「そっちの方がもったいねぇだろ」


「壊しちゃったらどうすんの!」


「んなもんいくらでもまた買ってやらぁ」


「一応申し訳ない」


「あれからどんだけたったと思ってんだ」


「だって、あれは宝物だもん」



上京したてなんて今よりもお金だってなくて

みんな食べてくのにぎりぎりで。


慣れない都会でてんやわんやしてたのに。


女性の簪屋さんに行って

どれだったら私が喜ぶか考えて買ってくれたんでしょ。


私あの時、ほんとに嬉しかったんだもん。

手放せない宝物なんだもん。



「とにかく、壊したくないからダメなの」


「だからそんなもん…」


「私にとったら、あれが世界に一つだけの贈り物なの。

きっとほかの何よりも大切なんだもん。

だから、ほんとに必要なとき以外は大切にしまっておくって決めてるの」



「ほんとに大切なとき?」


「…なんか、辛いときとかさ?」


「てめぇに辛いなんて感情あったとは驚きだな」


「…もう私行くから!」

私の居場所編開幕→←44.そういえば



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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時

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