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7.髪の毛 ページ7






「先程はすみませんでした」



お見苦しいところをお見せして。その言葉を発している表情はどんななんだ。


さっきまでと一緒で、笑ってるのか…。

口調は、苦笑い、と言ったところか。



「あんたさん、いつもあんなんなんですかぃ」


「おい総悟、つっ込みすぎだ」


「大丈夫ですよ、ふふ、そうですね、いつも通りです」



すだれの奥から、またクスリと笑い声。


どうして、そんなに笑っていられるんだ。



「昔からなんです、でも、他の人が私を庇ったりなんかすると、

まぁ、相手にも、私にもとばっちりが来るので」



さっきは何も言わないでいてくれてありがとうございました、と礼を言う。

気配でなんとなく、何も見えないが、頭を下げたんだろうことがわかった。



こんなに立派に育て上げたはいいが、どうしてそれなのに暴力なんて。




「私たちのこと、何か知ってます?

って言っても謎が多いんですけど…。髪に、神様が宿っている、そう育てられてきたんです」



なんだ、新手のギャクか?笑った方がいいのか?



「ふふ、本当なんです。だから、髪は一度も切ったことがありません。

一度でも髪を汚してしまえば私は家から追い出されます」



ふふふ、変な話でしょう?


まただ、また笑う。


心は、笑ってねぇだろう。


そんなことを考えてハッとする。


なに気遣ってんだ。

今日だけの依頼だ。

きっともうこんなむさくるしい俺らみたいな連中とはあわねぇだろう。







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作者名:あい | 作成日時:2021年1月19日 22時

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