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ー風邪 ページ43






朝、目が覚めるとなんだか体が重たかった。


十四郎さんはとっくに隣にいなくて、

もう既に、その温もりも布団に残っていなかった。


いつも、夜は抱きしめあって寝るのに。


朝も、こんなに遅く起きてしまったのはいつぶりだろう。


いつもは一緒におきられるのに。


そう思いながら、重たい体をゆっくり起こす。


風邪かな。

多分、風邪だろうな。


元々、ずっと部屋の中にいたから

免疫力なんてあんまりないし。


多少の風邪は慣れっこだった。


布団を畳もうと、起き上がろうとした時

横に、置き手紙と、袋があることに気がついた。


今日はゆっくり寝るように。

ただ、それだけが書かれた紙。


隣に置いてある袋には

スポーツドリンクや、軽食、ゼリー。


ただ少し風邪をひいただけなのに

彼にはなんでもお見通しみたい。


言われた通りに布団は仕舞わないで

今日はここでゆっくりしよう。


また眠くなるまで本でも読もうかと

栞を挟んだページを探していると、ノックの音が聞こえた。



「はーい」


「あ、Aさん、起きてましたかィ」


「沖田さん。たった今ですけどね」


「熱の方は計りやしたかィ?」


「ううん、どうしてここに?」


「土方さんに、サボるくれぇなら様子見てこいって言われたんでさァ」



そうなの、と言いながら本を閉じて

言われた通りに体温計を手に取った。



「おい、総悟、お前1回外出とけ」



すると、どこからが入ってきた十四郎さん。

またいいタイミングに。



「体温計脇に指すくらいで興奮するような猿じゃありやせんよ俺は」


「いいから出とけ!」



また、ちらりと覗く独占欲。


出ていった沖田さんを見てから、私に視線を戻した。



「もっと自覚しろ自覚」


「ごめんなさい。お仕事大丈夫なの?」


「休憩中だ。ほれ、熱見せろ」



言われた通りに体温計を渡す。

なんとも言えない微熱。


上がったら良くないからこのまま安静にしとけと言われる。


よっこらせと私の隣に座った土方さん。


額に当てられる手が心地いい。


そのまま布団に寝かせられて

その心地良さに触れていると、うつらうつらとしてくる。



「十四郎さん」


「寝るまでいてやっから、ゆっくり寝てろ。

安心して寝て、早く治せ」



その言葉が嬉しくて、

こくり、と頷いたと思う。


不思議、この人がそばにいるだけで安心して

直ぐに眠れてしまうの。




ー優越感→←ー十四郎



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作者名:あい | 作成日時:2021年1月19日 22時

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