乃木双葉は勇者であるｰｰ鷲尾須美の章･弐ｰｰ (ページ4)

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14話ページ4

銀side

銀「随分前に進んでくれたけどなぁ…」

手にした斧で境界線を引き、バーテックスに向かって駆けて行く

銀「ここから先は、通さない！！」

雄叫びを上げながらバーテックスに突っ込むと、また大量の矢が放たれた

2丁の斧を駆使して防ぐが、防ぎ切れなかった流れ弾が頬や脚を掠める

だが、攻撃は待ってくれない

次にデカイ板がさっきあたしの居た所に目掛けて刺さると、蠍の尾が攻撃してきた

銀「その攻撃は覚えた！それで襲ってくるのも、見たよさっき！」

それらを全て避けながら、攻撃を繰り出す

また矢を放たれたが、斧を力一杯振り矢を切り裂き、奴にも攻撃を当てる事が出来た

銀「何、上から見てんだ！」

高みの見物をしているそいつに2丁の斧をぶっ指し、抜こうとしていると、別の奴がデカイ板で潰しに掛かろうとする

ギリギリの所でそれを避け、地面に転がるようにして落ちると再び尾が襲ってきた

何とか防ぎ切るが、片腕はぱっくりと裂かれ血痕が飛び散っていた

銀「や、やったな…！」

痛みで顔を歪めながら、バーテックスに突撃する

その間、何度目か分からない大量の矢が降り注いできた

銀「…痛かったんだぞ！自分達で受けてみろ！」

その矢を利用するように尾を掛け登り、板野郎に乱撃を繰り出す

銀「お前達はここから……出ていけー！！」

ｸﾞｻｯ

銀「くっ…かはっ…！」

矢が横っ腹辺りに突き刺さった

辺りを見渡すと、反射盤のように矢を跳ね返しているデカイ板があった

真っ逆さまに落ちて行くあたしに追い打ちを掛けるようにして、長い尾で攻撃され地面に叩き落とされた

強い衝撃で大量の血を吐いてしまうが、それ所ではない

こいつらが神樹様を壊せば…

園子の笑顔、須美と双葉の笑顔、先生の笑顔、クラスメイトの笑顔、家族の笑顔

＿＿全てを失くなってしまう

銀「……差せるもんか！…絶対！」

よろよろと立ち上がると、矢を防ぎながら敵に突っ込む

銀「…帰るんだ！…守るんだ！」

尾の先を切り裂き、後方へ飛んでいく

銀「化け物には分からないだろ、この力！これこそが人間様の気合いだ！…根性だ！」

何度も刺された為、辺りには自分の血の量とは思えない程、飛び散っていた

大量の血飛沫を散らしながら、力一杯2丁の斧を振り攻撃を繰り出す

銀「魂ってやつよー！！」

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－－－

目が覚めると敵の姿も銀の姿も見当たらなかった

期待と不安を抱きながら、腕を庇うようにして歩みを進める