運命共同体【センラEND ver.】

64~sideセンラ~ ページ4

髪を乾かしている最中でさえ、かなり理性と戦ったのに、乾かし終わると、今度は俺に頭をもたれ掛けてきた。




確かにつぶれた際に運んできた時の方が密着度は高いが、あれとは事情が違う。




今のAには意思がある。




おいおい、まさか小悪魔属性でも持ち合わせてるのか。




「なんで、坂田のほう行かなかったん？」




この状況に飲まれるのを恐れた俺はやっと口を開いた。




「…気づいていいよ」




もはや話はかみ合わない。




でも、意味はわかってしまう自分はうぬぼれか。




「あんなに坂田好きやったやんか」




「それを上回っちゃうレベルの人がいたんだよ」




「え？」




「ほら、例えば、私が怖いって行ったら絶対に迎えに来ちゃったり、優しさに甘えて懲りないお子様を更に甘やかしたり…」




それ、心当たりしかないわ。




「挙句の果てに、電話で泣いたら、大慌てで家に来ちゃって、しまいには仕事投げ出して」




おもいっきし俺やん。




「こんなに大事にされたの初めてだよ。正直、親超え」




もう我慢できなかった。




足の間のAを強く抱き寄せた。




泣いてたあの夜よりも強く。




あんなに坂田すき“やった”やんか。




過去形で言ったのは、偶然か必然か。




もう、どうでもいいか。

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