まふくんの味、ママの味

新しい家族 ページ9

「……あそこに住んでる男の人、少し前から小さな女の子と住んでるのよね」

「預かってるのかしら？」

「でも私たちに会わせたくないみたいよ？」

「誘拐とか……？それとも隠し子？」

「嫌ねぇ」

「怖いわぁ」


まぁ会わせたくないのは本当だし。
なんにも言えないな
こんな汚い大人と関わったらAが穢れてしまいそうな気がして怖い

『まふ、おばさんたちずっとこっちみてる……』

「気にしなくていいよ、見たくなるもんだから。人って」

『わたしもみる』

「ダメ、目を合わせちゃ」

Aを抱っこして顔を僕の方にうずめさせる

『こわいひと？』

「違うよ、もう少し大人になってからね」

人間と関わる必要はない
あんなやつら皆同じだから。

「今日は夜ご飯お外で食べてもいい？」

『え〜……まふのごはん……うん、おそとでいいよ。まふ、おつかれ？』

僕の心配をしてくれるA。
Aなりに気遣ってくれてるんだな

「ちょっとね？でも大丈夫だよ、Aがいれば」

『ん、ずっといっしょ！』

チュッ、と僕の首にキスをしたA

「え、え！？」

『すきなひとにやるってきいたの！』

「誰から！？」

『ないしょー！シュヒギムがある！』

「またそんな難しい言葉使って……」

だんだん大人になってくんだろうね。
素敵な大人になるといいな

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