まふくんの味、ママの味

みんなだいすき ページ33

⚠流血表現注意です





「A！」

オレンジ色の電気がついている寒い倉庫の中。
奥に入るに連れて、鉄の匂いがしていた。

ぴちゃ

「……なに、これ……血？」

大量の血が床に流れていた

「Aー！どこ！？Aっ！」

『……ふ……』

小さくて消えそうな声が聞こえた
その声のした方を探すと、たくさんの袋が積まれた所に、Aの姿が見えた

「A……、そんな……こんなに血が……」

近づくと、小さいからだが真っ赤に染まっていた。

『ま、ふ……い、た……い……』

目を閉じた状態で手を伸ばすA。

動けない、体が、Aは……死んじゃう？

「A……」

早くしろ、早く動かないとと、自分に鞭を打ってAを抱き上げた

血が僕の服に染みてきていた

『いか、ない……』

「え？」

『びょ、いん……は……いかな、い』

「なんで！それじゃあAは……」

『まふ、ねむい……おうた……うた、って』

Aは微笑んだ。
でもその口から血が出てきていた

「もう、喋らないで……お願いだからっ」

『まふ……お、う……た……』

僕の涙が、Aの頬に落ちて赤くなった。
気づいたら大声で泣いていた。
膝から崩れ落ちて、叫んでいた

僕では、力不足だったのか
人を幸せにすることが出来なかった

『……しちゅー……おいしかった……』

Aがポツリ、ポツリと話し出した

『まふ、のあじ……ままのあじ……だもん……』

いやだ、いやだよA……

「……1人に……しないでよ……」

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