貧乏だから路地裏狩りしてたら反社に目をつけられて、それが父親だった

30話 ページ30

殻に閉じこもっていると、誰も傷つけない。なんて素晴らしいことだろうか
誰とも接しない。誰とも話さない。

私のせいで傷つく人をもう、見たくない






「おい、いつまでそうしてるつもりだ」






殻を壊されるのが何よりも、怖い



体が震える。手が、どうしようもなく疼く







「ダメ、、、それ以上、近づかないで、、、壊しちゃう、、」




殻を破った侵入者は私の制止を聞かずに私に近づいてくる






どうして、身体が動かない。早く距離を取らないと、、、壊しちゃう







侵入者の足音が私の前で止まる



ダメダ、コロシテシマウ。



















「お前が俺を壊すだァ？んなことはなァ！ありえねえんだよ！」



ピンク色の髪が視界に入る









「は、、春千夜？」


「おー春千夜様だ。やっとこっち見たな」


春千夜は目線を合わせるようにしゃがみ込んだ



「いつまでこんなとこに閉じこもってるつもりだ。待ってるやつがいんだぞ」

「だめなの。私がいると、皆が不幸になっちゃう、、春千夜も離れてよ。。。」



「うるせえ。誰がテメエの指示なんて聞いてやるか。俺に命令できんのはマイキーだけなんだよ」


なんで、、、なんで聞いてくれないの、、



「A。お前の周りにいんのは、そんなに弱いやつらばっかなのかよ」


違う、皆強い




「だろ？お前ごときにやられるような奴らじゃねえんだよ」



ほら、と顔を掴んで強引に上を向かせる春千夜
その手は暖かい


恐る恐る。春千夜の背中に腕をまわす



あたたかい。




黒い何か、が。見えなくなっていく。もう声も聞こえない

きっと、夢も見ない、、、、


安心できる。



私の背中と頭に春千夜の腕がまわる

不器用だけど、安心できる暖かさ









ずっと、欲しかったぬくもり、、、、



















「ねえ」

「なんだよ」



















「お父さん、って呼んでもいい？」












「勝手にしろよ」

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