〇狙い ページ14
「野坂さん、あれって……」
「……」
しばらくタイ代表の同じような攻撃が続いた時、野坂と一星は彼らの狙いに気づいた。
タイ代表は点を取りに行くと見せかけながら詩音の近くへと行っている、それに彼らのパス線上に必ず彼女がいるのだ。
「……(これ、もしかして得点を取るつもりがない……?じゃあ……狙いはわたしの足?)なんで……?」
と考えたところで今までゆっくり進めていた足を止めて立ち止まる。
そのまま攻めていくタイ代表の背中がかつてのチームメイトの面影を思い出させた。
『詩音なら決めてくれると思ったのに……』
『詩音らしくないね』
『なんでいつもと違うの?』
「詩音!」
「え、はい」
いつの間にかボールは稲森の足元にあり、そのボールを詩音へとパスしてきた。
だが、咄嗟のことで取り損なってしまう。
_____嗚呼、また『役立たず』って言われる。
「惜しかったな!次頑張ろう!」
「え……?」
覚悟していた咎める言葉は一切なく、むしろ励ますような声掛けに耳を疑う。
ボールは相手のシュートをしっかり止めた円堂の手の中にあった。
そして彼が笑顔で大声で呼んで投げたボールが向かう先にいるのは……
「詩音!いけ!!」
「!え……」
前半あれだけ迷惑かけて何も出来なかったのに、なんでわたしにボールを?
そう考えた詩音はボールを受け取り、ドリブルをしながらパスする相手を探していると一星と目が合った。
その時に言われた言葉を思い出す。
『詩音さんは優しいです。でも……もう少し俺たちに迷惑をかけてみてください』
本当に、かけていいのか。
また落とされるのじゃないのか。
そんな不安は次の言葉たちにかき消された。
「詩音!」
「詩音ちゃん!」
「いけー詩音!」
「っ詩音さん!」
『頼れる人に寄りかかりなさい』
「……はい」
詩音が蹴ったボールは的をはずれ、一星の所よりだいぶ手前に落ちてしまう。
_____また失敗。
もうボールは敵に渡ったと思った時、一星はそこボールを何とかキープした。
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おまんじゅう(プロフ) - 星猫さん» プロフから行けるボードに書き込んでおいたので良ければそちらを参照ください!!お話等もそちらを使っていただければ幸いです。お手数お掛けしますが、よろしくお願いしますm(_ _)m (2021年9月7日 18時) (レス) id: e52fd62a9b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年9月7日 18時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
おまんじゅう(プロフ) - 星猫さん» 高評価、ありがとうございます!!これからも応援宜しくお願いします!! (2021年9月7日 18時) (レス) id: e52fd62a9b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - はじめまして!とても素晴らしいです!高評価しました! (2021年9月7日 16時) (レス) id: 8c51e3f139 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん - 返信ありがとうございます!最高ですね!次回も楽しみにしています! (2021年9月2日 6時) (レス) id: f751d7262a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おまんじゅう | 作成日時:2021年8月19日 10時