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プロローグ ページ1
別に、彼らを壊すというのは
こういった明らかに物理的な意味ではなかったのだ。
先程照明器具が落下し、暗くなった対戦相手達のステージを呆然と眺め、天祥院英智はそんなことを思っていた。
それは本当に突然だった。
彼が憧れ焦がれた六奇人のステージの吊り照明は英智を崇拝する者によって金具を緩められていた。
誰もそれに気付かぬまま対バンライブは開始され、
数分後、
落ちた。
大きな衝撃音と共に響くは観客達の黄色いとは言えない悲鳴。
ステージから滴り落ちるは憧れの彼らの真っ赤な命の証。
あぁ。なんてことだ。
そう静かに呟いた彼の瞳からはただ一雫の涙が溢れるだけで、ただ、立ち尽くした。
いつか…君たちと共に切磋琢磨し、同じ目標を掲げた素晴らしいライバルとやらになってみたかったな…
それももう、永遠に叶うことはないのだけれど…
会場のスタッフ達が大慌てでコトを収束させようとする光景をただ眺めた。
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作者名：バレーノ | 作成日時：2018年11月4日 14時
