正しい扇子の使い方 ページ5
セイラside
貴「ここでバッ!と開いて、腕戻す時にシュッ!と閉じて…」
ク「擬音ばっかりだな」
貴「う〜ん…難しい…」
私は今、レッスンルームでクロロにぃに見守られながら新曲の振りを確認していた。
和風の曲を作っちゃったせいで衣装は着物ベース、小道具に扇子、とかなり動き辛いステージになりそうだ…
ク「ちょっと貸してみろ。
ここで手首にスナップを利かせて、戻す時に人差し指をこう…沿わせれば!」
クロロにぃの手の中で綺麗に扇子が開いて閉じる。
貴「え⁈すごい!なんで⁈」
ク「感触としては、ナイフと扱いが似てる気がするからな」
貴「聞かなかったことにするよ」
物騒だなぁ…
ク「まぁ、あとさっきから見て思ったが、口元を隠す振りの時、もう少し扇子を下げたほうがいいかもな。その方が目元が見える分、色気がある」
貴「わかった!気をつけてみるよ!
…?でも、私って一応無邪気担当だから色気は必要ないんだけど…?」
ク「客と俺の需要だ」
貴「そ、そうですか…」
そうして、数日後。
レ「さて、全員慣れない練習お疲れさん。
まぁ、『百花繚乱、紅月夜』も『祭夜絵巻』も『剣戟の舞』も今回限りってわけじゃねぇからこれからも披露するが、とりあえずは今日でひと段落だ。
慣れない衣装と小道具で手こずるかもしれねぇが、まぁ、そこはお前らだからな。どうせ完璧なんだろ?
だから、精一杯今日も楽しむぞ!」
いつも通り、舞台袖での円陣。
これからライブが始まるんだってワクワクする。
さぁ、まずは『百花繚乱、紅月夜』!
貴/ワ/シ『♪〜♪〜♪』
1番は私とワタルにぃとシュウにぃ、出だしは完璧!お客さんもいつもと違うテイストの曲だから盛り上がってる!
レ/カ/ナ『♪〜♪〜♪』
2番でレイにぃとカナタにぃとナツメにチェンジ!
そしてこの後の間奏の間に2つのグループが中央に寄って、私がレイにぃの隣に移動して…
貴『ん…?』
急に視界の4分の1、客席側が見えなくなった。
貴『せ、んす?』
ふ、と顔を前に向ければ…
レ『やっとこっち向いたな』
目の前にレイにぃの顔があって…
ギャァァァァァ!
という悲鳴にも似た歓声が上がって…
『ちゅっ』とマイクに入るようワザとらしくリップ音を鳴らしてキスされた。
は?え?本場中になにしてんの?
レ『これが1番正しい
貴『なわけあるかーーー!』
ステージの上とか気にせず大声を上げました。
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作者名:バレーノ | 作成日時:2019年2月1日 15時