彼らのいない学院 2 ページ27
あんずside
ス「どしたのあんず？元気ないね？」
あの後、教室に戻ってからも事件の話が忘れられなかった。
あ「去年起こった事件の話をさっき初めて知ってね…」
ス「あの事件ね…俺も友達が1人いなくなっちゃったよ」
明星くんも…
ス「気まぐれな奴でね〜、ほんと、なんでいなくなっちゃったんだろ…」
北「俺も、尊敬する人が亡くなったな」
あ「わっ⁈氷鷹くん！」
ス「あ、演劇部の部長？」
あ「え？演劇部の部長は氷鷹くんじゃ…」
北「先輩がいたんだ。あの人は凄かったぞ。特に女役がとても上手かった」
あんなに演技が上手な氷鷹くんが褒めるんだから、きっと凄い人だったんだろうな…。
颯「昨年の…悲劇のことか…」
あ「神崎くん…？」
声のした方を見れば、教室のドアの前で立ち止まる神崎くんがいた。
颯「我の従姉妹も、あの事件で亡くなった」
ス「え？ザキさん、いとこいたの？」
颯「左様。当時唯一の女子生徒だったので、かなり目立っていた」
ス「え⁈春駒さんってザキさんの従姉妹だったの⁈」
あ「ま、待って！女の子がいたの…？」
北「あぁ。プロデュース科としてではなく、アイドル科としていたな」
アイドル科の女の子…会ってみたかったな…
ス「春駒星楽って子だったよね…？
確か、サリーの幼馴染のお兄さんといつも一緒にいた気がするんだけど…」
颯「星楽は彼のことをかけがえのない恩人だと言っていたな」
あ「さ、朔間くんにお兄さんがいたの⁈」
真「ま、凛月の方はめちゃくちゃ嫌ってたけどな」
ス「あれ？サリーだ！」
真「よっ！ってお前らなんの話ししてんだよ…」
衣更くんが呆れたような表情をした。
あ「わ、私が去年の事件の話を聞きたいっていって…」
真「あ〜、そういうことか。ところであんず、さっき春川が探してたぞ？」
あ「あ、今日は『Ra*bits』のプロデュースだからかな？何か言ってた？」
真「なんか、に〜ちゃんが相談したいことがあるらしいって言ってたぞ？」
あ「そっか、ありがとね」
そういえばさっき、影片くんは仁兎先輩と昔ユニットが一緒って言ってたな…
？「ちょっと〜、あんずいる〜？」
北「む？瀬名先輩か。残念ながら今、遊木は不在だ」
泉「あんずだっつってんでしょ？ホント生意気」
あ「あの！どうしたんですか？瀬名先輩」
泉「次のライブの衣装、見てもらいたくてさ。
ちょっと来て」
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作者名：バレーノ | 作成日時：2019年2月1日 15時
