ご主人。仲直りです ページ8
＿
「それ、誰の？」
「さっきの女」
「え、飯でつるん？えらく食に目がない人なんか」
「…せやな」
ふーんと若干怪しみ手に取ったトレイを目を細める見つめる大先生。
俺の後を追ってきたのか、うまく部屋から出たと思ったんだが。
「シッマも女の子が愛しい存在ってわかるときが来たんやなぁ。僕は嬉しいよ、うんうん」
およよと嘘の涙を垂れ流し、白いハンカチで目元を拭くしぐさをする。
少しめんどくさそうなので、放置することにした。
「スールかい！」
「なんや大先生。テンション今日高いなぁ」
「えー、わかっちゃう？今日はお気に入りの女の子に夜のお誘いしたからね」
「そか。それはお楽しみに」
「うわーん！シッマがつめたい！」
偉くかまってちゃんな大先生。いつもはこんなお話する……ああ、ちゃうわ。俺が早くAのところに行きたいんや。やけん、こんな風に思うんか。
カタンと食事をトレイに置き、大先生に問う。
「なぁ、女と仲直りする方法とか大先生しっとるやろ」
大先生は、これでもかと言うほどふふんと鼻を鳴らし、胸をたたいた。
どうやら、食堂で俺に構って構ってしてたのは、この質問をしてもらうがだったためのようで。俺は今までにないくらい大先生の話を真面目に聞いていた。
「頑張れや、シッマ！」
＿
「お帰りなさい。ご主人」
椅子に座って本を読んでいた彼女は、本から顔を少し上げ、そう言った後、すぐに本に視線を戻した。
＿ええか、シッマ
＿男は失敗を引きずったらあかんねん
＿狼狽えたら負けや
＿押して押して、最終的には押し倒す！！！
大先生の言葉を脳で往復させ、カタンとテーブルに食事のトレイをおく。
「ありがとうございます、この章を読み終えたら食べますので」と言う彼女の言葉は全く耳に入っておらず、
「たっ」
「…た？」
「食べさせてやるから、口開け、てください」
そう口走っていた。
それには彼女も、先ほどまで本に夢中だったのに、今では目を見開き俺を見つめている。なかなかにクサイ台詞に頭に血が上り、体温が上がっていくのが分かる。
やっぱなし…、と撤回する前に、
くくっとこらえられない笑いがあふれた様子のAが声をもらした。
「あははっ！ダメぇ、なんそい！！怒った雰囲気漂わせたら、ご主人あからさまに落ち込むし…。ワンちゃんみたい！それに恥ずかしいなら、そんな提案しないで…あーおっかしい！」
部屋の空気が一変した。
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瑞稀(プロフ) - 完結おめでとうございす！！電車でラストを見たせいで涙が止まらずやばいやつに……悲しいけどとてもおもしろかったです！ (2022年4月7日 14時) (
レス) @page44 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - 完結おめでとうございます！！このお話を読んでの感想は…いや言葉に出来ますかね……knさんの実は優しいというギャップにキュンって来ました。最後が悲しくて泣いちゃいます！でも、お話の内容が凄かった…全て最高でした。ｱｻﾞｽ (2022年3月26日 9時) (レス) @page44 id: cce170ead2 (このIDを非表示/違反報告)
フィルライ(プロフ) - 最高でした！最後悲しくて泣いてしまった。もう少し続いてほしかったのが本音ですが、今まで投稿お疲れさまでした！ (2022年3月18日 7時) (レス) @page44 id: 5dffbeb247 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃまっちゃ - なんだかんだ優しいknさん...好こ... (2022年3月4日 21時) (レス) id: 41cf5c918b (このIDを非表示/違反報告)
みひろ(プロフ) - めっっっっ………ちゃくちゃ面白いです！！！ヤンデレじゃない監禁ものでこんなおもろいの初めて見ました好きですありがとうございます。こういうコネさんもいいなぁ… (2022年2月21日 9時) (レス) @page17 id: 3e57ef0344 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年2月7日 19時
