ご主人、女やばいです ページ13
＿
「新人。巻き込まれたくなかったら、そこを退きなさい」
「巻き込んでもらって結構ですので、バケツをお納めくださいな」
つい、間に入ってしまった。目つきが鋭い女三人衆、それに対面するのは、おさげの黒髪ヘアの女のこ。小さく私の後ろで震えている。そして間にいるのは私。メイド服に慣れなさすぎて、常にがに股で闊歩する私である。
「気分悪いわ」
その一言で、バシャっとバケツがこちら側を向けられた。中に入った汚い水は、主に私に降り注げられる。ぽたぽた、水が髪をつたい、服が皮膚に密着する。寒い。
「ん、ぬれちゃった」
「汚い姿ね。ほんと惨め」
クスクス、女達の目は弧を描き、愉快に笑う。楽しそうで何よりです、はい。
私は、背面で縮こまるメイドちゃんに声をかける。「無視が賢い相手って何処にでもおるんよ、やから逃げな」と言うと、彼女は首を横に振った。
「か、彼女、ら…鬱、さ…まを馬鹿にしたんです」
私だけではなく。
強い意志でそうつぶやいた彼女は、目の前の女三人衆を睨みつけた。おお、かっこいいが、鬱様とは誰ぞや。
「あれ、ゆりちゃん呼びに来たんやけど…。どんな状況？」
そしてタイミングよく現る、紺色の髪をした眼鏡の男性。はっっ！！この人、窓越しで見たことある、メイドさんを逐一観察したり、メイドさんがふらついたところをいち早く気づいて助けていたりするイケメンさんだ！！！尚、優しいのは女性限定。
ゆりちゃん、恐らく私の後ろで泣いている女の子にスッとハンカチを差し出す眼鏡さん。イケメンだ！私にも、タオルか何か渡して、ファンサして！
「なあ。悪口言ってたって、ほんと？」
二コリ、背筋が凍るような笑みを浮かべる眼鏡さん。三人衆、顔は真っ青になり、動けない様子。う、つ様と誰かが声を漏らしたから、この人が鬱様なのだとようやく理解する。ではでは、この人達は、鬱様の悪口を言っていたんだね、あぁ、だから上司の悪口なんて言うもんじゃないんだよ。そう、心の中で思うが吉。私がご主人に接する対応のようにね、はっはー☆
それより、鬱様。私にファンサは？(二回目)
せめてタオルくれ。誰か。放置辛い。
「あ、の。違うんですっ！私達はケジメをつけるため、」
「質問の答えになってないよ、頭大丈夫？…じゃあ、質問を変えよう。
ゆりちゃん、泣かせた？」
温度が徐々に下がっていく、この室内。
あぁ、こりゃあ彼女たちは打ち首かなぁ。
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瑞稀(プロフ) - 完結おめでとうございす！！電車でラストを見たせいで涙が止まらずやばいやつに……悲しいけどとてもおもしろかったです！ (2022年4月7日 14時) (
レス) @page44 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - 完結おめでとうございます！！このお話を読んでの感想は…いや言葉に出来ますかね……knさんの実は優しいというギャップにキュンって来ました。最後が悲しくて泣いちゃいます！でも、お話の内容が凄かった…全て最高でした。ｱｻﾞｽ (2022年3月26日 9時) (レス) @page44 id: cce170ead2 (このIDを非表示/違反報告)
フィルライ(プロフ) - 最高でした！最後悲しくて泣いてしまった。もう少し続いてほしかったのが本音ですが、今まで投稿お疲れさまでした！ (2022年3月18日 7時) (レス) @page44 id: 5dffbeb247 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃまっちゃ - なんだかんだ優しいknさん...好こ... (2022年3月4日 21時) (レス) id: 41cf5c918b (このIDを非表示/違反報告)
みひろ(プロフ) - めっっっっ………ちゃくちゃ面白いです！！！ヤンデレじゃない監禁ものでこんなおもろいの初めて見ました好きですありがとうございます。こういうコネさんもいいなぁ… (2022年2月21日 9時) (レス) @page17 id: 3e57ef0344 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年2月7日 19時
