〈探偵チームkz事件ノート〉~出会いの物語は知っている~

第14話~切れる？~ ページ17

(人1)視点

上杉「壊れたチェーンがどこかに落ちてるはずだ。捜せ！それが手がかりになる！」

そこで、私達はそこらじゅうを引っかきまわした。

ゴミ箱を持ち上げたり、ビールケースを覗きこんだり、積み上げられてるパチンコ台の間から透かしてみたり…………。

周りのお店から誰か出てきて怒られるんじゃないかな、と捜しまわってる私達はヒヤヒヤだった。


やがて、道路わきの方から、嬉しそうな大声が上がった。

小塚「あったっ！」

小塚さんは、側溝の中から、泥にまみれたチェーンを持ち上げていた。

若武「貸せよ」

すぐ若武さんはそれを取った。

小塚「ひでぇ………」

歩み寄って見てみると、上杉さんの言ったとおり、ダイヤル錠はかかったままだった。

チェーン自体が、ブツリと途中から切れている。

上杉「小塚、これ切ってみろよ。めいいっぱい引っ張ってみろ。」

上杉さんがいって、チェーンを小塚さんにわたした。

小塚「もし切れても、ボクは犯人じゃないぞ」

本気で心配してる様子がおかしくて、私と立花さんは笑ってしまった。

小塚さん、可愛い…。

若武「早くやれよ」

若武さんが、苛立たしげに言い、小塚さんは顔が真っ赤になるほど力を込めて、両手でチェーンを引っ張った。

けれど、チェーンはびくともしなかった。

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