センラの専属絵師 ３【歌い手】

story ，129 ページ38

kradness side

「A。」


貴「お兄ちゃん、久しぶり」


「うん。久しぶり」


貴「...」


「...」



このままじゃいけない。
そう思い、さっき語ったことを語り出す。


「昔の、話をするよ。」



俺は、目を閉じて話し出した。




＿＿＿＿あれは、まだお前の家に行って間もない頃だ。



Aが何が描いてると思って覗き込んだ。

すごく綺麗な絵だなって、思ったんだ。



でもね、俺の父さんは絵が嫌いだった。
昔、色々あったみたいでさ。


俺にAが絵を描くことを止めさせろ と言ってきて、嘘だろって思った。


Aは知らないだろうけどさ？父さんは怖い人なんだ。気に入らないことがあると手あげたりね？
だから、Aが傷つけられるんじゃないかって怖かったから必死だったんだよ。

そして考えた作戦が “絵を貶す作戦” だ。

優しいAの事だったら、そんな事されたら絵を描かなくなるんじゃないかと思った。
作戦は成功。絵を描かなくなっていったAを見て、父さんは喜んだ。だから褒められた。


俺は何をやってるんだ。

父さんに気に入られる為に、
妹の大切なものを奪った＿＿＿＿？


罪滅ぼしのために俺は家を出た。
こんなことをしても罪滅ぼしなんてできないのに。



「と、こんな感じかな。」


「...」


「今日が楽しみだったんだ。夏コミでAに会えるって思ってさ？父さんはいないからこの話がやっとできると思ってさ？」


貴「ごめんなさい...私何も知らないで」


Aは泣き出した。


「ううん、俺が全部悪いんだよ。何も言わなかった俺がね...。」

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kradnessさんの口調がいまいち掴めないんですが笑

今回はシリアス回ですね 。

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