じゅうろく ページ17
チクタクと時計の針が進む音が響く部屋。
｢随分と物がねぇな｣
私の部屋を見て承太郎はそう言った。
｢…うん。物が溢れてると気になっちゃうんだ。｣
ふふっ、と笑って誤魔化す。
どうしよう、どう話そう。
きっと承太郎は普段と違う私を心配して来てくれた。なんであんな顔をしてしまったのか理由も知りたいはずだ。
手を強く握る。
｢……ごほっ｣
承太郎が少し咳き込んだ。
そういえば帰り道も、帰ってからも何も飲んで居ない。部屋もエアコンを着けているし、乾燥しているのだろう。
｢あっ、水持ってくるね。｣
｢あぁ。すまねぇ。｣
自分もかなり喉が乾いているのに気付き、部屋を出る。
｢お母さん。お水貰ってもいいかな。｣
｢…えぇ。｣
キッチンに顔をのぞかせる。
｢……お母さん？｣
振り返ろうとしない母の肩を叩く。
母は、泣いていた。
そりゃ、そうだよね。
私はまだ高校生だ。子供なんてできたことはないけど家族を失う悲しみは計り知れないことはわかる。
お父さんも顔を合わせていないが、きっとリビングで同じように泣いてるのだろう。
…私はまだ実感が持てない。
こんなになんともないのに、今日死ぬなんて。
｢…ごめんね。お母さん。｣
｢いいの。いいのよ。貴方は何も悪くない。｣
ボロボロと泣き崩れる。
私は母をただ抱きしめることしかできなかった。
｢ごめんね承太郎。遅くなっちゃった。｣
水の入ったコップをふたつ持って部屋に入る。
私が死んだ後、片付けが面倒にならないようにと綺麗に吹いたフローリング。
そこは、大量の血で濡れていた。
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すたー@☆彡(プロフ) - 涙の降水確率100% (11月10日 18時) (
レス) @page22 id: b7b82ed4de (このIDを非表示/違反報告)
わごむ - 今年めっちゃ泣いてるわぁ…神作品をありがとうございます。 (2020年4月16日 2時) (レス) id: 37d509fa97 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 無理です泣きました。油断してた… (2020年4月1日 1時) (レス) id: e29ccfebad (このIDを非表示/違反報告)
pepesann(プロフ) - あっ……好きです…(唐突な告白) (2020年2月24日 0時) (レス) id: e221a4afc1 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - え 泣いた (2020年1月20日 3時) (レス) id: f571b67ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：離乳食 | 作成日時：2019年10月8日 20時
