【承太郎】花に埋もれて亡くなりたい (ページ11)

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じゅうページ11

月曜日。2週間が経ったから今日で3週間目かな？今まで日が経つのなんて気にしてなかったからか、あっという間に過ぎる学校生活に自分自身で驚く。

放課後お土産を持って教室に入る。
今は承太郎が居ないらしく皆さっきあそこで見たよーと教えてくれるが、用があるのは花京院くんだ。

｢花京院くん。これお土産。｣

私が花京院くんに話しかければ、教室が少しざわつく。確かに、承太郎と3人で話したりお弁当を食べたりすることは多かったが2人で話すのは初めてかもしれない。

｢お土産？｣

首を傾げる花京院くん。

｢うん。金曜日の水族館のチケットありがと。すごく楽しかった。｣

思い出を話そうとしたとき、急に花京院くんは特徴的な声で笑った。

｢ノホホォ。Aさん、ちょっとここを出て話そうか。｣

｢へ？うん。｣

なんだー浮気かーと冷やかすクラスメイトを承太郎のように冷たくあしらうわけではなく、違いますよ。と柔らかく答える花京院くん。なんでこんな品の良さそうな花京院くんが承太郎のような不良と仲がいいのか…ふと疑問に思った。

普段からあまり人気のない階段の踊り場で花京院くんが足を止める。先程の疑問を聞こうと思ったが、先に口を開いたのは花京院くんだった。

｢僕、承太郎にチケットなんか渡してないんだ。｣

｢えっ？｣

チケットを渡してない…？

｢確かに、デートに水族館を進めたのは僕だけど元々聞いてきたのは承太郎だ。｣

買ってないし、デートの場所を承太郎から聞いてきた…？状況が理解できない。
固まる私を見て、やっぱりそうだったかと言いたげな顔をした花京院くんは、周りに聞こえないようにするためか、身を屈め顔を近づけると小声で言う。

｢あいつは素直じゃあないからね。僕から行けと言われたフリをして君をデートに誘いたかったんだろう。｣

うんうんと頷くことしか出来ない私の目を見て続ける。

｢承太郎は普段そんなことしない。しかも特定の女の子になんて見たこともない…どういうことか、分かるかい？｣

｢はっ…えっ！？｣

花京院くんが言いたいことをようやく汲み取った私は思わず叫ぶ。妬けちゃうなぁと冗談を言う花京院くん。

｢承太郎が…そんな……｣

｢僕も驚いたよ。承太郎、君と付き合い始めた頃はあまり乗り気には見えなかったのに。｣

｢私もびっくりした…｣

｢ふふ、良ければ金曜の話、僕に聞かせてくれないかい？｣

｢うん！｣

私は花京院くんの顔が暗くなって見えなくなるまで金曜の事を話した。