とある科学の現実物質（リアリティマター） (ページ10)

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6話ページ10

会話をせず沈黙の中、黙々と私たちは歩き続けて知らない間に私の家の前まで来ていた

私の家は一方通行と同じマンションで最上階の一番端

家の前に着くと一歩通行は私の部屋の扉を開けて、一緒に玄関に入る

「危ねェから鍵閉めろよ。明日確認しにくるからな」

『わかった』

一方通行は私の頭をポンポンっと叩き扉をあけて部屋から出て行こうとする

『一方通行.....』

「なンだ？」

『もし、私が壊れそうになったら私を.....』

”殺して”そう言いたかった

彼になら殺されてもいいと思ったから、唯一私の能力を知っていて確実に私を殺すことができるとわかっていたから

でも、言えなかった_____

だって一方通行は何週間前まで御坂美琴のクローンを破壊していた

それが一方通行にとって非人道的なものと知っていても

彼は自分で殺してしまう相手を減らすためにしかたなく実験に加担していた

その行為が自分を苦しめるということを知っていても......

そんな傷ついた彼をまた壊してしまいそうな気がした

『....やっぱり、なんでもない。おやす「俺は」

「俺はお前が壊れそォになるなら助ける」

真剣な一歩通行の目が私を射抜く

本当に優しすぎる彼に甘えたくなってしまう思いを抑えて、笑顔で彼を見て『ありがとう』とお礼を言う

一方通行はふっと笑って「あたりまえだろォが」と言って部屋を出て行く

一方通行の後ろ姿を見て私は小さく『ごめんね』としまった扉越しに行ったがそれは彼には届かなかった___

私は一方通行が帰った後、お風呂に入ったり服を着替えたり明日の学校の準備をしてからベットに横になる

おそらく実験が行われるのは今週からだろう

絶対私が断らないとわかってるからほぼ計画が完成状態になってから私に行ってきたに違いない

ほんと研究者って頭がイカれてる奴しかいないのかな

芳川さんは除くけど.....

本当に最悪....

私はゆっくりと目を閉じて意識を手放した_____