27話 (ちょいグロ注意) ページ32
一方通行は私の手を握って私の部屋に入った。
ズカズカと私の部屋に入ってぐいっと引き寄せられたと思ったらベットの上に押し倒されて何が何だか分からなくなる。
「もう一度聞く、特力研で何されたァ?」
『....毎日薬を打たれた』
「それだけじゃァねェだろ」
私は一方通行の真剣な目に今まであったことを言おうと決心した。
『最初は電流を体に流す実験だった....
私たち人間には生体電気というものが流れてる、その電流がどの方向にどう流れてるか、私に理解させる実験だった。
次の実験は毒ガスの実験。毒ガス部屋に入れられて息ができなくなりそうなほど毒を吸い込んだ。
その実験は体内の毒の浸透効果の実験だった。
だんだん手だけじゃなくて体も動かなくなってきて、なんとか生きるために演算して助かったのを覚えてる。
その次は体を切断される実験。私に体の構造を理解させ再生させるための実験だった。
最初は皮膚とか小さい部分だったけど、だんだん切断する箇所が多くなっていって最終的に手とか足くらいまで切断された。
最後は....人を殺 す実験
私の能力がどこまで影響するのか、自分以外の人の部分を再生することができるか確認するための実験だった。10人殺 したところから数えたくなくて数えてないけど、多分50人はいくと思う....』
私の話をじっと静かに一方通行は聞いてくれていた。嬉しかった。否定もせず肯定せず、ただ静かに聞いていてくれた一方通行に本当にありがたいと思う。
一方通行は私の話を聞いてどう思ったんだろうか。
そんなことを考えていると一方通行が私を抱きしめた。
「A、俺は絶対お前を助ける。だから俺の側にいろ」
私はその言葉を聞いてハッとする。
___「A、俺の側にいてくれるか?」
___『うん。帝督の側にずっといる』
___「約束な」
___『うん。約束』
あの時の約束がフラッシュバックした。
そう、あの時は絶対に彼の側にいるって約束した。
私は彼の側から離れる気はなかった。
でも、研究者たちが私と彼を引き離した。
彼が傷つかないために私は辛い実験も耐えてきた。
私は、約束するより....彼の側にいたい
『....ごめんなさい』
私はバッと一方通行を跳ね返して窓から外に飛び降りつつ、同時に空気を圧縮して地面からの衝撃を消し、地面に着地した。
そこからどこに向かうのでもなく、がむしゃらに彼に会うために走った。
20人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あすな | 作成日時:2020年8月9日 1時