若武先生の日常。

仲間 ページ15

アーヤは 緊張した面持ちで 二人のもとへ向かい、俺はそんな彼女を見守っていた。



｢ねえ、真希ちゃん。美咲ちゃん。
……ちょっといいかな？｣


大炎上中の 火の中に、単身で飛び込んでいった。アーヤ、すっげえ……
俺なら、飛び込む前に はね飛ばされてたよ、きっと。



アーヤの声が 届いたみたいで、キョトン、とした顔で顔を見合わせる二人。
まるで、この人 誰？って顔して。


｢ねえ、誰？｣


ぶっ！やっぱり。
いきなり 話しかけたら、そうなるよなあ。




予想通りすぎて 俺が笑い出すと、こちらを睨みつけ、

｢うるさい。もう、人事だと思って！｣

ピシャリと 一言。
やっべ、姫はご乱心だ……


そして、引きつった笑みを返す俺を尻目に、アーヤは二人に向き直った。



｢……私はね、彩っていうの。そこにいる 若武の友だち。
二人とお話し しに来たんだー。｣


｢ふうん。あなたが、ワカタケの彼女なの？｣


彼女！？
アーヤが、俺の？

突拍子もない この言葉に、俺すらも面食らう。



｢ち、違うよ。私と若武は、仲間なの。


付き合っている人たちよりも もっと深い絆で守られてる、仲間。｣


深い絆で守られてる 仲間、か……
たしかに、その表現が 一番正しい気がするな。

詐欺師、成功→←救世主！？

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