【Kz】君の名前を呼ぶよ．．．

story13 ページ19

それからは特に何事も無く1日が進んでいった。
時々、後ろから視線を感じたけれど、気にならなかったから、黙っていた。


放課後＿＿＿＿

私は急いで帰りの支度をし、屋上へ向かった。
と、前に南さん達が大きな声で喋っていた。

私は南さんに気付かれないように通り抜けると、
屋上へ走り出した。


・



・



ギ、ギィーーー．．．

ドアが嫌な音をたてながら開いた。

翼を待たせちゃったかな、と思いながら辺りを見回した。

幸い翼はまだ来ていなかった。

私は翼を待っている間、ぼんやりと風を感じながら、
空を眺めていた。

空はどことなく暗く、どんよりと曇っていた。
まだ夕方なのに夜のようだった。


．．．．．．


まるで今の私の気持ちみたいだ。


．．．．．．


...ダメだな、もっと気分が暗くなっちゃう。

考えない、考えない！


．．．翼、遅いな…


何かあったのかな…
だとしたら私のせいだよね、きっと。

お昼のことで南さん達を怒らせちゃったから．．．


私と居るとみんなに危害が加わっちゃうの？


あぁ、もう翼にも嫌われたよね…


ごめん、ごめんね翼＿＿＿


じわっ．．．


目に薄らと涙が浮かんできた。

チラッと時計を見てみると、約束の時間からもう大分過ぎていた。

来ないか．．．

寒くなってきた体を温めるように上着を羽織りながら、




彩「．．．帰ろ。」



1人呟いて立ち上がった。

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