ウインターは苺色に染めて。【短編合作×すとぷり】

ななもり◇聖夜に詰め込んだプレゼント ページ1

「ふわぁ、」
　
　

　
ふと、あくびが零れる
　
　
自分の口から出る白い息は外の寒さを表していて思わず彼とお揃いで買った紫色のマフラーに顔を埋める
　
　
今日、待ちに待った12月25日。クリスマス。
　
　
クリスマス、なんだけど私の彼氏のなーくんはレコーディングで夜9時までお仕事中…。
　
　
ってことで、レコーディングをしている会社の近くまで来て迎えに来ちゃった
　
　
だから一番近くの公園のベンチに今座ってるの。
　
　
　
　
「あ〜…、手袋忘れちゃった、」
　
　
　
　
手がかじかんで思うように手が動かない。ポケットに手を突っ込んでいたが白い息を吹きかける
　
　
少し暖かくなったけどすぐに冷たくなる。この寂しさを隠すように素早くコートのポケットに手を入れた
　
　
　
　
「あれ…A？」
　
　
「あっ、なーくん！」
　
　
　
　
遠くに同じマフラーをしたなーくんが見える
　
　
後ろにはメンバーの皆さんもいてなーくんの元に小走りで向かうと皆さんに一礼した
　
　
　
　
「あれ、なーくんの彼女？」
　
　
「うん、みんな初対面だっけ？」
　
　
「俺は一度だけことあるわ」
　
　
　
　
ころんくん、なーくん、ジェルくんの順番に話が進む
　
　
　
　
「ど、どうも…なーくんの彼女のAです」
　
　
　
　
一礼をもう一度するとよろしく、と声をくれた
　
　
　
　
「A、そんな固くならないで？ってことで、俺ここで別れるね。数日後また会おうね〜」
　
　
「うわ、なーくんリア充満喫じゃん」
　
　
「ころちゃんうるさい。じゃっ！行こ？A」
　
　
「う、うんっ」
　
　
　
　
メンバー全員が目の前にいるのになーくんは平気で恋人繋ぎをして、私たちはこの場から立ち去った
　
　
暗い路地に街灯がポツン、ポツンとしかなかった所からイルミネーションで輝いている大通りにやってきた
　
　
それと同時に人も多くなる。そして彼の手と私の手が繋がれてる事実に微笑みが溢れる
　
　
さっきまで冷たかったはずの手は彼の温もりに包まれ暖かくなっていく
　
　
恋人繋ぎしたからかな？にしてもメンバーみんなの前では恥ずかしかったなぁ…
　
　
　
　
「手袋、忘れたでしょ」
　
　
「あっ、バレてたの…？」
　
　
「手に息吹きかけてたじゃん？」
　
　
「ふふっ、そこまで見えてたんだ〜」

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