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第百四十二話『橘デノ宴』 ページ31

『では手を合わせて』



「 「 「『 いただきます。 』」 」 」




目の前にある湯豆腐を見つめて器を持ち上げる
スプーンで豆腐を掬い、口へ運ぶ




『……美味い』



樋「はい!美味しいですね!」



銀「……美味しぃ……」



立「……美味ぇ」




各々が感想を云い、また手を動かす
やはりここの湯豆腐は最高だ


……色々落ち着いた後、芥川は樋口、銀、立原を連れて湯豆腐の美味しい店、橘に来ていた

広津を誘ったが、帽子幹部に飲みに引っ張られ来れなかった




『今回は本当によく耐え闘った。今夜は寛ぎ、たくさん食べろ』



銀「……いいんですか?」



『案ずるな、全て立原の奢りだ』




そう云った途端、立原がお茶を吹き出した
人の事を云えないが……




『汚い』



樋「立原!お前!芥川先輩の視界になんて物を!!」



立「……っ、グホッ!?すみっま……ゴホッせん!じゃなくて!?全部ですか!?」



『……冗談だ』



樋「さすが先輩!サラッと冗談を云うなんて……本当かと思いました!」



立「……いやっ兄貴の目がガチだったぞ。絶対に本気で云ってただろ」




その通りだ。本当に奢ってもらおうと思っていたが、さすがに幹部であろう自分が部下に全てを払わせるわけにはいかない




『……演技だ』



立「嘘付け!」



樋「さすがです!先輩!私は貴女に一生ついていきます!」



銀「……ふふっ」




楽しいひと時を過ごしていた時、芥川の携帯が鳴った
皆が口を閉じて芥川を見る




『はい』



中「太宰ィィイイ!!手前ッ」




すぐさま切った。そりゃもう光の速さで。
不安そうな顔でこちらを見ている部下達をちらりと見て安心させるように笑う




『……間違い電話だ』



樋「あぁよかった。急な任務かと思いました……」



立「……でも今、中原幹部の声がしたような」



銀「……気の所為です」




立原が疑いの目で見てくるので、太宰絡みだと云うと納得いったようで直ぐ様、食事を再開させた




『デザァトはいいか?』



樋「……いえ、これ以上は先輩の負担に」



銀「わらび餅がいいです」



立「俺もそれにしようかな」



樋「あなた達!わらび餅が美味しそうなのは判りますが、もう少し芥川先輩の懐を労りなさい!」




橘へ来た時点で僕の財布の中身は労るどころか滅多打ちにされているのだが……とは云えずに樋口の分のわらび餅も頼んで数時間後、楽しい晩餐は終わった


.

第百四十三話『世間ヲ騒ガセテイル怪作』→←第百四十一話『オ前ニ似テルナ』



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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください!ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー! (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます! (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります! (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月22日 17時

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