第百四十話『朝ノカオス』 ページ29
『……あぁ樋口か』
樋「樋口です!どうされましたか芥川先輩!?もしや!?探偵社員……いえ!」
樋口は太宰を指さして睨み付ける
樋「この!太宰治に何かされたのでは!?」
太「えっ!?私に限られるの!?」
あっー、と敦と国木田はなんとも云えない表情をして立ち去った
それを見た樋口は確信づくように言葉を並べる
樋「この男によって私達に見せられないお姿になられたのでしょう!?いくら芥川先輩に好意があるとはいえ、芥川先輩に……あっあんな……ことを!!」
『……いやっ!樋口?違うからな?勘違いするな!?』
芥川は顔だけ蒲団から出して樋口を見る
とんでもない武装に驚いたが、気を取り直して宥める
『別にあ、あんなことなどしてない!普通に寝ただけだ!』
樋「ね、寝た?こ、この男とですか!?」
『んん!?断じて違う!そういう意味では無い!』
太「ふふふふふふっ!」
樋「笑うな!」
医務室はカオス状態
太宰は笑い転げて、樋口は怒りが頂点に達し、芥川は頭を抱えていた
与「何やってんだい!」
ピシャッ!と云い放った彼女の声でしんっと静まった
与謝野は溜息を吐いて手を払う
与「芥川が元気になったからといってそんなに騒ぐんじゃない。一応、体温チェックとかするからアンタ等は出ていきな」
樋「な、ならば私も!」
与「どっかの抗争に行くような物騒な格好をしている奴を入れてやれるか。……ほら、外で待ってな」
強制的に医務室から太宰と樋口を追い出す
本当に与謝野に感謝だ
与「大丈夫かい?」
『はい、助かりました』
与謝野は芥川の着替えを彼女の近くに置いて体温計を出す
芥川は蒲団から出て体温計を受け取って脇に挟む
『それにしてもこのパジャマは?』
与「……すまないねぇ。太宰がこれを着せてくれって執拗いから」
『き、着替えさせたのは……』
与「妾と鏡花とナオミだよ」
女性陣が総出で着替えさせてくれたのか。感謝したいのは山々だが、着せられたのがフリフリの可愛いパジャマという現実に項垂れる
『ここまでしてくれて感謝する』
与「なあに、お安い御用さ」
体温を測り終え、着替えて医務室を出る
客用のソファに装備を全て外した樋口が蹲っているのを発見して声を掛ける
『樋口、待たせた』
樋「うぅ、先輩……」
泣き出しそうな樋口の頭を撫でて社員に頭を下げながら芥川達はその場を去った
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第百四十一話『オ前ニ似テルナ』→←第百三十九話『オノレ探偵社』
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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください!ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー! (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます! (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります! (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月22日 17時