第百三十話『云ッタダロ』 ページ19
プ「次見る顔は死に顔だな!」
気持ちの悪い笑い声と共にプシュキンの姿が見えなくなる
『逃げられた……もう……ここまで……か』
正直限界だった。体は怠いし、足に力が入らない。追いかける気力すらもう……
敦「捕まれ、芥川」
手首を引かれて体勢が崩れる
驚く間もなく敦の手足は虎化して勢いよく地面を蹴った
『ちょっ……』
敦「少し揺れるぞ。羅生門でも僕の体に巻き付けとけ」
妙案だと思いつつそうする。
でも敦がこんなにも疾い動きをするとは思わなかった
敦「云っただろ」
『……?何をだ』
敦「僕が手を引いてやるって」
真逆本当に手を引いてくれるとは思わなかった
何故か笑いが込み上げてきた
『……ふっ』
敦「あっ何笑ってんだよ!」
『否……お前の成長が早くて驚いただけだ』
敦「お前は僕の親か!」
ギャーギャー云っているとやっとプシュキンの乗った荷運車が見えてきた
『おい、奴より速度を出せ、そして揺れが酷い吐く』
敦「黙って乗ってろ無賃乗……えっ!?は、吐く!?」
慌てている敦の前方の壁が爆発した
大きな岩が行く手を阻む
『早く避けろ、左だ。ぶつかる』
敦「痛だだだ!そこはハンドルじゃない!」
咄嗟に耳を引っ張ると怒られた
見事に全ての岩を避けきってあと少し……というところでだ
────ボゴッ!
敦「!?」
『!?』
目の前に岩が立ち塞がった
突然出てきて反応出来ず、殴られた
?「あぁ……実に幸福です」
不気味な声が芥川達の耳に届く
ゴン「主様はこの侍従長ゴンチャロフめに護衛より重要な使命を賜われた
蒙昧なる闖入者に我が主、ドストエフスキー様に傅く機会を与えよ、と」
地下組織“死の家の鼠”構成員
イワン・ゴンチャロフ
────能力名“断崖”
プシュキンを乗せた荷運車がどんどん遠ざかって行く
まだ敵がいたのかと舌打ちをする
『一分で奴を喰らい荷運車を追う』
***
太「谷崎君、廃坑周辺から逃走する人影は?」
谷「太宰さんの云う通り上空から見張ッてますが、誰も……」
太宰は谷崎と連絡を取りドストエフスキーの行方を探る
谷崎は廃坑北部から車が出てきたことを伝えるが、太宰は無視するよう指示
続いて宮沢も報告をするが……
太「あの魔人の捕縛だ手勢は一人も無駄にできない、無視だ」
太宰の言葉に二人は口を閉ざした
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第百三十一話『泣イテルゾ』→←第百二十九話『絶対ニ逃ガスナ』
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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください!ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー! (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます! (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります! (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月22日 17時