漆黒の狗は原作を知らない為困っているそうです4【文スト】【芥川成り代わり】

第百二十話『初メテデキタ大切ナ人達』 ページ9

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────芥川せんぱぁぁぁぁあああいいいいぃぃぃぃぃ！！！





『────羅生門ッ！』




目を見開いて叫ぶ
着ていた白い外套は光の速さで伸びてゆく




『……真逆､本当に叫んでくれるとは』




自分を信じ､助けを求めて嬉しいと思う反面､自分を呼ぶほど危険な状況なのかと焦る気持ちがあった




『“純白ノ番人”！樋口を助けよ！』




白い帯は､とある部屋に入りそこの天井を斬った
目の前に落ちてきたのは瓦礫と……




『……鏡花』




名を呼ばれた彼女は痛みを堪え後ろへ飛び退いた




『……真逆､貴様が此処に来るとはな』



鏡｢……っ｣



樋｢……芥川先輩！｣




心配そうに上の階から樋口の顔が覗く
芥川は安心し頬を少し緩ませた




『樋口､怪我はないか』



樋｢はいっ､先輩のお蔭で……｣



『ならば､皆に伝えよ｡探偵社の一人を僕が相手すると』



樋｢でも､先輩は……｣



『大丈夫だ｡行け､樋口』





はい！と返事をし駆け出した樋口を確認し､鏡花の方を向いて不敵な笑みを浮かべる




『久々に骨のある敵が来た』



鏡｢……っ｣




黒い外套に着替え､羅生門で攻撃する
……が､鏡花の目の前に“夜叉白雪”が現れ､彼女を守った




鏡｢貴女に云いたいことがある｣



『……何だ』



鏡｢私も欲しかった｣



『……何をだ？』



鏡｢……貴女の連絡先｣




一瞬､思考が追いつかなくて､ん？と首を傾げる芥川

彼女は今何を云った？欲しかった？連絡先を？えっ何故だ？




鏡｢彼の人には渡したのに私には……｣



『えっと､鏡花？そんな泣きそうな顔をするな？おい夜叉､オロオロするな｡なんとかしろ』




物凄く落ち込んでいる鏡花にどう接すればいいか解らず夜叉白雪共に困惑する




鏡｢……仲間外れにされたみたいで……厭だった｣



『な､仲間外れ？』



鏡｢何時もは彼の人と貴女と三人で……居たから｣



『否､そんなことは無いと思うが｡でもそう思わせたのなら､すまな……』




……いや､落ち着け芥川龍之介､そうだ､僕は芥川龍之介だ｡こんなことで謝るな､怯むな｡こんな小娘なんか捻り潰せば────




鏡｢私の……両親以外で初めてできた大切な人達だから､隠し事は……やめて欲しい｣



『ああ､判った｡やめよう』




ハッと気がついた時には既に遅し
鏡花の顔はキラキラと輝いており嬉しそうに頷いていた



────嵌められた



芥川は溜息を吐いて顔を覆った


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