漆黒の狗は黒の時代でも困っていたそうです5【文スト】【芥川成り代わり】

第二百一話『オ呼ビ出シ』 ページ44

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あれからどのくらい日が経ったのだろうか｡



もう数年経つが､昨日のように覚えている｡



そして太宰は芥川が企てた作戦通り(変なアドリブ有りだが)
無事に組織を抜けることが出来た｡


(※詳しくは【漆黒の狗は原作を知らない為困っているそうです3 第××話『アノ日ノ記憶“壱”』〜『アノ日ノ記憶“陸”』】を参照↓
漆黒の狗は原作を知らない為困っているそうです3【文スト】【芥川成り代わり】)





｢……芥川龍之介､首領がお呼びだ｡｣




拷問部屋から出てきた芥川を黒服が呼び止める｡


また新たな仕事だろうか？と芥川は軽く返事をして
最上階へと向かう｡





『……ふぅ』




相変わらずこの扉の前は緊張する｡

一つ深呼吸をして扉を叩敲する｡




『……首領､芥川です』




しんっと静まる廊下｡

チラリと扉の横に立っている黒服を見るが何も云わない｡


もう一度､叩敲して呼びかけるが返事がない｡

……またか､と思い再び黒服へと視線を向ける｡
彼はゆっくりと首を縦に振った｡




────バタンッ




『……首領､失礼します』



森｢エリスちゃーん！この服！この服だけでいいから｣



エ｢キモイ！嫌だって云ってるでしょ！？｣




勢いよく扉を開けるが気付かれない｡
芥川は部屋の中へ入り､ゆっくりと扉を閉める｡

毎度毎度､よくも飽きないなと芥川は暫く傍観する｡




エ｢あっ！アクタガワ！｣



『……どうも､エリス嬢｡チョコレェトは如何です？』



エ｢さすがはアクタガワね､欲しいわ！｣



森｢芥川くーん！エリスちゃんの説得を一緒に頼むよ｣



エ｢変態は黙って！ドレスは着ないって云ってるでしょ！｣




機嫌の悪いエリスに森は悲しそうに項垂れる｡

……というか､僕にこれを見せる為に呼んだのだろうか？




『……お取り込み中でしたね､それでは失礼しま』



森｢ちょっちょっと待って､帰らないで｣



『……え､しかし』




森は必死に引き留めるので芥川は渋々､立ち止まって
彼と向き合う｡




森｢……明日､五大幹部会がある｣




森は執務席に座って用紙を取り出して芥川を見る｡




『……えっ』




五大幹部会って滅多に行われない会議だ｡
何しろここ数年は開かれていない｡




『……もしや何か災いが』



森｢太宰君の席を埋めることにした｣




予想と違い芥川は首を傾げた｡



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