第七十一話『同情ナド要ラン』 ページ31
『先程のアレを覚えてないとは云わせん!』
フ「……何の事だか」
『コロスッ!』
フィッツジェラルドの攻撃を避けながら芥川の拳が彼の腹に入る
其の儘、飛んでいったが体制を整えてまた芥川に殴りかかってくる
────ガスッ、ドゴッ
フィッツジェラルドと芥川の攻防が続く
敦はそれを見てぐっと拳を握りしめる
敦「強い……あんなに強いのになんで」
────何時かこの世界に本当の幸福が来る日まで……私は其れ等を守り続ける
敦「それなのにまだ弱いと云って……」
違う
彼女は何も判っていないのだ
自分の価値を。周りから本当はどう思われているかを
敦「……何かを果たす為に何かを壊すのは違う」
ポソリと呟き俯く
彼女に伝えようとしていた言葉。しかしそれでは駄目だ
彼女だって判っていた、何もかもを壊すことは違うと
───お前は既に私の───護りたいモノに入っているから
敦「なら───」
あの
────芥川君を頼んだよ。敦君
そこでハッと思い出す
以前、白鯨から脱出して地下で太宰に云われた言葉だ
敦「そうだ。僕は芥川を……救ける、護るんだ」
敦の手が足がどんどん虎化していく
そして一気に地面を蹴って闘っている二人の間には入りフィッツジェラルドを殴り飛ばす
『邪魔をするな人虎……!』
敦「邪魔なんかじゃない、協力すると云っただろ!」
敦はフィッツジェラルドに飛んでいき殴る
芥川はその間に割って入り拳を下ろすが避けられてしまう
敦「何がもっと強くなるだ!僕より強い癖にそれ以上強くなってどうする!?」
『笑止!貴様と僕を比べるな!愚者が!』
フ「面白い。君達は実に似た者同士だ」
判っていた、云われるのは判っていたが……
敦「『 こんな奴と一緒に 』」
地面を蹴り拳を構えてフィッツジェラルド目掛けて飛ぶ
敦「『 するな! 』」
二人分の拳を受けたフィッツジェラルドは吹っ飛ばされた
『……ッ、ゲホッゴホッゴホッ』
敦「あ、芥川!」
慌てた様子で芥川を支えようとする敦の手を彼女は払い除けた
『止めろ、同情など要らん』
敦「ど、同情なんかじゃない!僕はただお前を心配して」
『それが同情と云うのだ。あと気を抜くな、まだ彼奴は』
その時だ、ゾクッと背筋が凍った
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らしろ(プロフ) - シアトルさん» 優しいと思えば、意外と裏切られる芥川ちゃんでした(笑) (2018年9月7日 17時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 太宰さんは相変わらずクソであった…でめたし、でめたし…? (2018年9月7日 0時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 埴輪型竹輪さん» そのまさか……かも?しれないです(笑)ご期待ください! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
埴輪型竹輪(プロフ) - え......まさかあの方と関係が...! (2018年9月3日 22時) (レス) id: 4f1c00f9fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 鈴さん» まさか……!です(笑)、次にご期待ください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2018年7月3日 21時