第四十三話『私ハ何ノ為ニ』 ページ3
ホ「貴方は悪魔でも神でもありませんでしたね。弱者の肉を貪るだけの魂なき獣畜です
どうせこれまで自分より弱い異能者としか戦ってこなかったのでしょう?」
芥川の表情は曇る。すると彼女の背後から白い煙が巻き上がる
ミ「マフィアが何よ……」
白い煙の正体はミッチェルの異能力だ。芥川の外套が風化されていく
ミ「戦争が何だってのよ……!」
『……』
ミ「アタシは一族の名誉を取り戻すの!あんたみたいな敗北も屈辱も知らないような奴に……負ける訳にはいかないのよ……!」
『僕が……敗北も屈辱も知らぬ、か……巫山戯るな』
羅生門が鋭くうねる。それはミッチェルを刺した
『痛い程、敗北も屈辱も味わった』
血液の拘束がサアァと消えていく
芥川の目がギラリと光る
『私だってあんた達に負ける訳にはいかない……』
芥川の声に反応するかのように黒い外套が蠢く
ホーソーンは芥川の雰囲気が変わったことに気付き、たじろぐ
ホ「……何故?何が貴方をそうさせているんです?」
『……私には守るべきものがある。私には壊すべきものがある。
必ず果たさなければならない使命がある。それをお前達に……邪魔されてたまるか!!』
ゾクリとホーソーンの背が凍る。芥川の決意に圧倒されると同時に、自分に物凄い殺意を向けられていることに手が震えた
ホ「……守るべきものがある、ですか。それは私も同じです」
ホーソーンは震えていた手をぐっと握り締め、その甲を切る
ホ「気が変わりました」
ホーソーンが手を銃の形にして芥川に向ける。人差し指の先端に緋文字が集まり弾となる
ホ「貴方のその使命……壊して差し上げましょう」
『やれるものならやってみろ。伊留満』
そう云い駆け出す芥川。ホーソーンは緋文字の弾を撃つ
芥川は羅生門でガードするが飛び散った血液が彼女の腕や腹を掠める
そして羅生門の刃がホーソーンの首元を掻き切った
ホーソーンが芥川を見て口角を上げた
『……自惚れるな』
小さく呟いて両手で自分の顔を隠し口を開いた
『───羅生門“連門顎”』
幾つもの黒獣を出し緋文字を喰らう
ドッと鈍い音がし、ホーソーンが「ミッチェル!?」と叫ぶ声が聞こえた
其の儘、ホーソーンとミッチェルは壁に叩き付けられ瓦礫に埋もれた
『……こんなものを壊したって、一体何になる?』
力が抜けてへたり込む
『私は何の為に此処にいる?』
彼女の声は潮風に静かに流れていった
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らしろ(プロフ) - シアトルさん» 優しいと思えば、意外と裏切られる芥川ちゃんでした(笑) (2018年9月7日 17時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 太宰さんは相変わらずクソであった…でめたし、でめたし…? (2018年9月7日 0時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 埴輪型竹輪さん» そのまさか……かも?しれないです(笑)ご期待ください! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
埴輪型竹輪(プロフ) - え......まさかあの方と関係が...! (2018年9月3日 22時) (レス) id: 4f1c00f9fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 鈴さん» まさか……!です(笑)、次にご期待ください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2018年7月3日 21時