第二十話【貢ぎ物】 ページ21
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数週間後
───夕刻
「ありがとうございました!」
『見つかってよかったです。では、失礼します。』
依頼者に軽くお辞儀をして公園を出る。
猫を探してほしいという依頼は約一時間程で終了した。
『……却説と、ご褒美に甘味処に行こうかなぁ』
太宰君に“また今度行こう”と云って結構な日にちが経った。
連絡は偶に取るのだが、何しろ向こうはポートマフィア幹部。
全くと云っていい程、予定が合わないのだ。
『……まぁ、仕方ないか』
最近は“ミミック”という組織がヨコハマでやりたい放題しているらしい。
それを処理するのに手を焼いているのだとか。
『……ミミックねぇ』
ポートマフィア程の組織が頭を悩ませるのだとしたら
政府機関も同様にそうなのだろう。
改めて政府に居なくてよかったと思う。
『……あっ』
「中里」
久し振りに織田さんに逢った。
太宰失踪事件の依頼以来だ。
『織田さん!久し振りです!今からどちらに?』
「子供達への貢ぎ物を探しにな」
『貢ぎ物?』
話を聞くとある組織に狙われているかもしれない子供達が退屈そうに隠れているから駄菓子や玩具を購って持っていくらしい。
『ほへぇ〜、織田さんも優しいですね』
「……だが何を購っていいか解らない」
『ふっ、ここは私にお任せあれ!なんてったって私は武装探偵社の期待の星!中里A!まだアルバイトだけどそのうち正社員となり、探偵社の未来を担う素晴らしい人材となる……』
「おっ、クマのぬいぐるみ」
『……話聞いてました?』
ショーウィンドウから見えた茶色のふわふわのクマに織田さんは釘付けだった。
多分、私の話は一つも覚えていないだろう。
『……女の子もいるんですか』
「ああ、一人。まだ小さいがな」
『ふむふむ、ならばお洒落グッズなども如何でしょ?』
近くにあった可愛いヘアピンや髪ゴムなども勧める。
女の子ならば可愛いもの。
男の子ならかっこいいもの。
『……退屈なら、そうですね。テレビはあります?あればテレビゲェムなどもいいかと。』
「……接続が難しいな」
『おや?ここになんでも依頼できる武装探偵社員が居ますが?』
チラリと織田さんを見ると参ったという顔をしていた。
「……お願いしてもいいか」
『ふふっ、お代は子供達と遊ぶ事で宜しいですか』
織田さんは微笑んで了承してくれた。
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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時