第四十一話『一歩ヲ踏ミ出シタ』 ページ42
探偵社の事務員以外の調査員は旧晩香堂に集まっていた
───福沢・乱歩・与謝野・賢治
───国木田・谷崎
───太宰・敦
人員を守勢と攻勢に分割し奇襲戦法で姑息に抗う作戦だ
太「この戦の肝要はこの拠点を隠匿する事です。敵の異能者総出で此処に雪崩込まれると守勢が保ちませんから」
***
‹ 中「反応は良好」 ›
中也の声が首領室に響く
芥川は拳を握り締めて目を伏せていた
森「其処が探偵達の隠れ家だ。先ずは一点先取……ねえ、芥川君」
芥川は名を呼ばれスっと目を開ける
真っ黒な瞳からは感情が読めない
『……ええ、その通りです』
黒い笑みで微笑んだ
***
福「三組織の内、生き残るのは一組織のみだ。闘う他に活路は無い」
森「勿論、最後に残るのは我々だ」
フ「結末が今から楽しみだよ」
────三組織異能力戦争だ!
とうとう始まってしまった
芥川は首領室を出て廊下を歩く
『しっかりしろ、……“漆黒ノ死神”』
パチンっと自分の頬を叩いて俯く
頬がヒリヒリ痛み、思わず足を止める
『敵を壊す“漆黒ノ死神”、仲間を護る“純白ノ番人”
───このヨコハマの街に幸福を……』
主の声に反応するかのように黒い外套がゆらりと揺れる
『──そうだな“羅生門”。僕は僕らしくいればいいな』
優しい手つきで外套を撫で前を向く
こんなところで立ち止まってはいけない
『敦と二人でこの街を───』
意を決して芥川は一歩を踏み出した
━━━━
━━
━
潮風を肌で感じながら靴を鳴らし海を眺める
近くで爆発音が轟いた
『微かな檸檬の香り……そろそろか』
‹ 森「芥川君、準備はいいかい」 ›
耳元のインカムから森の声が聞こえた
芥川は『はい』と返答し組合の異能者の元へ行く
森「組合の異能者は脅威だ。うちの精鋭でも撃破は難しかろうね」
森は首領室で椅子に座り黒いルークを手に持つ
「と云う訳で──」と口角を上げる
森「一番遣る気に溢れた子を配置した」
ダンっ!と音が室内に響いた
***
『羅生門──』
小さく呟き黒い外套が細く伸び、うねる
四方八方に伸びた黒い帯は組合の構成員を次々に刺した
彼女の乾いた咳が厭に響いた
……To be continued.
第××話『漆黒ハ純白、純白ハ漆黒』→←第四十話『輝キニ満チテイル』
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らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時