漆黒の狗は原作と違う為困っているそうです1【文スト】【芥川成り代わり】

第××話『漆黒ハ純白､純白ハ漆黒』 ページ43

＊


＊


＊




『“漆黒ノ死神”……ですか』



｢そうじゃ､何か異論は？｣



『大アリですよ､何故私が？』



｢お前はこの先の未来を知っている｡だから適任だ｣



『あまり覚えてないですけどねえ』



｢彼奴を守れ“漆黒ノ死神”｡決して悪しき者の手に渡ってはならん｣



『それが私に課せられた使命ですね』



｢その通りだ……残酷で悲惨で目を背けたくなる道になろうとも､お前なら乗り越えて行ける｣



『買い被りすぎですよ｡でも安心して下さい､彼は私が守りますから』



｢お前も立派になったな｣



『なるわけないじゃないですか｡私はまだまだ子どもですよ?』



｢そんな怒るな､善い経験じゃ｣



『いきなりこの子に成り代わった所為で私の人生計画がめちゃくちゃなんですよ』



｢それでも生きているではないか｣



『自ら命を絶つ､なんて人生計画の内にありませんから』



?｢そうか……



────では頼んだぞ､“漆黒ノ死神”｣



『ええ､お任せ下さい』





────ふわりと微笑む少女は綺麗な黒髪を揺らし微笑んだ





『何時かこの世界に本当の幸福が来る日まで……』





────少女はフゥ……と息を吐き後ろを見つめる





『必ず､私が守りますから』





────穢れの知らない白い外套がゆらりと揺れた






『ねえ､“純白ノ番人”？』



.

第××話『君ノ名前ヲ知リタクテ“壱”』→←第四十一話『一歩ヲ踏ミ出シタ』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す