漆黒の狗は原作と違う為困っているそうです1【文スト】【芥川成り代わり】 (ページ26)

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第二十五話『居続ケル理由』ページ26

太宰による“あ～ん♡”(強制)は終了し､燃え尽きたように机に突っ伏す芥川｡
パフェを食べたが美味しく食べた心地がしなかった

敦｢あ､芥川､大丈夫か？｣

『黙れ､僕を心配するなど百年早い』

太｢美味しかったね､Aちゃん♡｣

『美味しい筈なのに味がしなかったのだが？』

同じ席に着いているのに温度差が違い過ぎて敦はタジタジだった

『……人虎』

敦｢なっなななな何だよ｣

『……鏡花は如何だ』

敦｢鏡花ちゃん？……元気だよ｣

『一緒に住んでいるのだろ？手を出すなよ』

敦｢出すわけないだろ！って､何でお前が知ってるんだ！｣

フンっとそっぽを向いて答えない芥川
“原作読んでるから知ってます”なんて云える訳ない

太｢そういえばAちゃん｡あのパン屋の無花果パンと新作のキャロットメロンパンを買ったのだけどい｣

『いる』

太｢……早いねえ｣

太宰の手元の袋の中には大量のパンが入っていた
それを受けって鞄に入れた

『1ポイント好感度が上がった』

太｢因みに今私は何ポイント？｣

『－4803点』

太｢真逆のマイナス……｣

項垂れる太宰を無視して立ち上がる芥川
そんな彼女を敦は慌てて声を掛ける

敦｢なぁ､何でお前はマフィアに居るんだ？お前は殺しが嫌なんだろ？何でずっとそこに居続ける？｣

『……それも鏡花か？では聞く､人虎､何故貴様は探偵社に居るんだ？』

敦｢……それは､太宰さん達に拾われて､善くしてくれて異能もある程度使えるようになって｡それに僕でも助けられる人が､いるって思ったから……｣

『同じだ』

その言葉に驚いて芥川の顔を見つめる敦
彼女は何かを懐かしむような表情をしていた

『……或る男に拾われて､善くしてくれて異能も自在に操れるようになったから｡自分を必要としてくれる人がいるから､彼処に居る』

敦は何も云えない儘､俯いてしまった
太宰は目を光らせ何も云わずに珈琲を啜っていた

『それに､僕が居ないとポートマフィアは戦力が格段に下がる』

敦｢……お前はそれでいいのか｣

『……いいから居るのだろう』

敦｢鏡花ちゃんが心配していたんだ……なぁ､芥川｣

『何だ』

敦｢“彼女を救いたい”そう鏡花ちゃんが云っていた｣

その言葉を聞き､ピシリと固まる芥川
不思議そうに彼女を見る男二人
芥川は何か考えた後､とんでもないくらい顔を顰めた｡

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