第二話 『悪魔ト漆黒ノ出会イ』 ページ3
銀「おね、え……ちゃ…駄目だよ……殺される!」
『大丈夫、私には異能がある……銀は此処で待っていて』
銀「でも、私が来た時にはもう皆死んじゃってて……だから近くにはもういないと思う」
私は優しく銀の頭を撫でて黒いマフラーを頭から被せる
『すぐ戻る』
少女は無我夢中で走った。
確かに銀の云う通り、敵は遠方へ逃げているかもしれない。然し、一発殴らないと腹の虫が収まらない
『何処だ…ッ!一体どこにいる!』
叫びながらいつの間にか森へと入っていく
木々が頬や腕をすり切り痛い
それでも足は止まらない
やがて鉄の嫌な匂いが鼻についた
鼻はいいほうだ、その匂いを頼りに足を進めた
?「いい月だね、君もそう思わないかい?」
ぼんやりと呟き私に問うその男
──────ポートマフィア最年少幹部 太宰治
『これ、貴方が……』
その男の足元には大人達が倒れており
全員息絶えていた
足に力が入らなくなり、ヘナっと座り込む
敵討ちに来たのにもう殺されていた
ならば私のやる事は?
────妹の銀を守ること
『……銀が待ってる』
ふらっと立ち上がり来た道を引き返そうとするがドサッと転ける
足が思うように動かない
でも早く行かないと……銀が一人ぼっちで待っている
太「君……傷だらけじゃないか、一体何をしたんだい?」
『……』
私は無言を貫くと決めた
この人と話したら負けだ。確か、太宰は無効化の異能力で、頭脳に特化していた筈だ。
『(あれ?完璧に私は負けてる?)』
太「可哀想に。そんな貧相な服を着て寒くて震えているじゃないか。
────それとも……私が怖いかい?」
ゆっくりと此方へ歩いてくる太宰
怖い……そうだ、怖いよ
いきなり芥川に成り代わってさ
貧民街に投げ出され
大切な妹と仲間たちを守ってきたもの
何回神様を怨んだか……もうたくさんだ
─────でも
『私には待ってくれている人がまだ居るの
───────“羅生門”』
近くの木をバッサバッサと斬り倒す
それを太宰の目の前に投げつける
異能力が通じないのなら羅生門で木を斬り
振り回しとけば隙が生まれる筈だ
太「……ッ!?」
怯んだ隙に羅生門を木に巻き付けて体を浮かせ
ターザンのように逃げる
この速さなら流石の太宰でも追い付けないだろう
太「───ははっ」
太宰が妖しく口角を上げながら笑った。
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らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時