第一話 『残酷デ悲惨ナ』 ページ2
××年前───
『銀、私の飲みかけの水知らない?』
銀「さっき自分で飲まなかった?」
『えっ、いや飲んでないけど……また彼奴等か』
ふぅと溜息を吐いて空を睨む
此処は昔から住んでいる貧民街
食料や寝床に苦労しながらも
妹や仲間たちと必死に生きている
そういえば彼奴等……
食材を探してくると飛び出して行ったきり
中々帰ってこないな
銀「お姉ちゃん、私ちょっと探してくるね」
『なら私も──』
銀「駄目ッ!お姉ちゃんは何時も私達の為にパンとか果物とか持ってきてくれるもん!私も何か役に立ちたい!お姉ちゃんは座ってて」
そう云って走り出してしまった
成長したなぁと思いながら銀の後ろ姿を見つめる
然しこの後、後悔する事となる
━━━
━━
━
『遅い』
あれから一時間くらい経ったが、誰一人帰ってこない
流石に心配だ
『変な密売者に見つかって殺されてないよね……』
彼女は辺りを見回しながら彼等を探した
何処を探しても一向に見つからない
?「そこのお嬢さん」
辺りを見ていると後ろから声がした
警戒しながら振り向くとお爺さんが立っていた
『……私?』
?「この先はやめておけ……悲惨な事になっておる」
そこでハッと思い出す
確かこの人は……
『でも私の妹と仲間がこの先で待っているの。喩え、悲惨な事になっていようと私は──それを受け入れなければならない』
?「今のお主は先へ行くより、儂に付いてきた方がいいのだが……意思は固いようだな」
力強く頷く。
するとお爺さんはフッと笑い、持っていた杖を私に向けた
?「行け、漆黒の少女よ!この先に如何なる試練が待っていようと怯まず突き進め!決して揺らぐでないぞ!」
『はい、判りました───夏目さん』
弾かれたように走り出す。
チラリと見た夏目さんの顔は少し悲しそうに笑っていた
『───銀!』
銀「お…ね……ちゃ、ん……」
血まみれの妹に抱きつく
その近くには息絶えている仲間達
『大丈夫だから………もう私が来たからね』
銀「ひぐっ、うっ、あ……うわあああああああぁぁぁぁぁ!!」
泣き叫ぶ銀の背中をゆっくりと撫でる
辛かったね
遅くなってごめんね
お姉ちゃんがついて行かなくてごめんね
真逆、今日……仲間が殺されるなんて思ってもみなかった
何故、原作と違う?
フツフツと怒りが沸き上がる
少女は強く唇を噛んだ
.
861人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時