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***
「…っ!」
.
条件反射で大きく震える背中。
一気に捲し立てたせいで、
ゆきちゃんの肩は上下に激しく揺れていた。
息を飲み、正面を見れば
こちらを睨みつけているゆきちゃんの姿が目に映る。
それを涼介はジッと見つめている。
私は…何も言えなかった。
.
私が何か言ったところで変わるわけがない。
かと言って、無視が許されるはずもないのもわかってる。
.
全部、ゆきちゃんの言う通りだ…
私は人の家族をバラバラにした最低な人間。
なのに、ゆきちゃんは私のことを”大嫌い”って
“言ってくれた”。
本当は、“憎い”はずなのに…
.
「……っ。」
.
また、唇を噛んでしまう。
今のゆきちゃんの話を聞いて、
涼介は何を思っているのだろう…
.
“その通り”だと思っているのは確か。
私は、涼介と付き合ってるのに
何度も大貴と会っていたから。
.
“そんなことない”なんて、涼介は絶対に言わない。
いくら涼介が私に甘くても
人を傷つけるようなことは絶対に口にしない。
.
それとも、私を“捨てよう”と…
“別れよう”と考えているかもしれない…
ううん。
もしかしたら、涼介は拒絶しようとして…
.
涼介「…で?」
.
だけど、涼介は私が予想していた
どれも違っていた。
.
涼介「それがなに?」
.
涼介は、私の前に立って…
私を庇った。
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作者名:まりも | 作成日時:2021年6月20日 23時