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Aの言うみちゃとは、勿論三ツ谷の事を指す。
あれはAがまだ話すことに慣れていなかった頃。その頃のAはまだどうしても上手く【ミツヤ】と発音出来ず、その場に居合わせたパーちんの「あ？なんつってるか分かんねー。みちゃがなんだよ」という言葉により、じゃあオマエ今日からみちゃな、と決まった。
最初こそ三ツ谷も「はぁ？ぜってぇやだわ」と笑っていたが、今は案外気に入っているらしく、Aの前だとよく自分のことは「みちゃ」と言っている。
周囲の人間は改めてAの偉大さを実感した。
「想像以上に怯えてんな。あんな傷だらけになるような環境じゃ、仕方ねぇのかもしんねーけど」
三ツ谷はAの正面にしゃがみ込むと、万次郎と繋がれている手を見てくしゃりと苦笑する。
長袖の隙間から古傷が見え隠れする小さな手は、万次郎の大きな手を強く握りしめていた。
彼の方から離そうとすれば、すぐさま手に力を込められ、離すことは叶わない。何度か繰り返しているうちに両手でしがみつかれ、最終的には背中に隠れられてしまった。
これには万次郎も困った。
彼は怯え切ったAを落ち着かせるよう、腰に巻きついた細い腕を撫でながら、左右にゆらゆらと揺れる。
「まんじろ……こわい……」
「んー？なんで怖ェの？」
「…………うぅ……こわいの……」
「言わなきゃオレ分かんねーよ」
「まぁまぁ、そんな急かしてやんなって。A、おいで」
困り果てていた万次郎に助け舟を出すようにして、三ツ谷がAを呼ぶ。
A自身も万次郎を困らせている自覚があるのか、今回は大人しく三ツ谷の腕に収まった。よいしょ、と三ツ谷に慣れた手つきで抱き上げられ、いつもそうするようにAは彼の首元に抱きついた。
その姿に万次郎が嫉妬していたのは、言わずもがなである。
「なぁ、A。こっからあそこで遊んでる子ども見えるか？」
「……うん」
「あれな、オレの妹達なんだよ」
「……いも、おと……？みちゃ、だぁじ？」
「そうだな。オレにとっての大事な家族だ。Aにもだぁじにしてほしいって思ったんだけど、やっぱ怖いか？」
抱っこしたAの顔を覗き込むようにして、三ツ谷は言う。
その表情からは怖がるAを責めるような刺々しさは感じ取れず、自然と華奢な肩から力が抜ける。
「……うう、ん。Aも、だぁじ、する」その言葉を聞いた三ツ谷と万次郎の顔には安堵の笑みが浮かんだ。
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レモン - サイコーすぎんだろ‼️ 応援してます😆 (2022年7月2日 13時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ぺたごんさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行するつもりなので、続編もよろしくお願いします！ (2021年11月13日 8時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ぺたごん - すごくすき愛した だぁじに悶えてます 続編待ってます！ (2021年11月13日 1時) (レス) @page50 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ただのバカですさん» そうです三ツ谷くんです（笑）多分本文でも書くと思うんですけど、みつや→みつゃ→みちゃ 的な流れから、みちゃになりました。続きものんびり頑張ります！ (2021年10月23日 0時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - みちゃ？あっ、三ツ谷くんの事ね。え！？可愛くねぇ？みちゃだよ？胸取れるわ。ムフフ続き楽しみに待ってます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page45 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
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