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実はAがずっと不機嫌顔だったのには、ペーやんの言っていた"特訓"が深く関わっていた。
あれは昨日、Aとペーやんが二人で出かけた日のことである。
本来ならばそこにパーちんも居たはずなのだが、彼は朝っぱらから喧嘩を売ってきた不良と仲良くどんぱちしているらしいので、今日は二人での外出となった。
バイクに乗るときのAの定位置はいつもハンドルと人の間だった。
今回も例に漏れずペーやんの前に乗せられたAは、猛スピードで走るバイクの上で目を輝かせる。何度乗っても飽きない爽快感。風と一体になれるようでAはすっかりバイクの虜だった。
「オレは茶ァ買ってくるからヨォ、パーちんみたいに勝手に動くんじゃねーぞ」
「……」
「分かってんのかちゃんと」
ペーやんにバイクから下ろしてもらって、小さな影は近くのベンチにちょこんと腰掛けた。
声を出せない代わりにコクコクと頷くAの姿に怪しみながらも、ペーやんは宣言通りベンチから少し離れた自販機に飲み物を買いに行く。
彼を待っている間、Aは足をぷらぷらとさせて遊んでいた。
動くなと言われた以上、他にすることもない。
言うことを聞くことには慣れているので、言われた通りに待つ時間はAにとっては苦痛でもなんでもなかった。
「おいテメェ、ここで何してんだよ！ここはオレらの縄張りだぞ！」
「……」
「弱っちぃガキはさっさとでてけ！」
「……」
「なんか言えやコラ！」
そんな時だった。丁度ペーやんが居ないという悪いタイミングで、Aはここらへんを仕切っているという子供三人に絡まれてしまった。
全員Aよりも年上に見える。年齢的には小学五年生くらいだろうか。
本来こういう場面に遭遇した場合、素直に「イヤだ」と言うか、それが出来ないならば早急にこの場を離れるべきなのだろう。
しかし、最近になってやっと「これは好き」「これは苦手」の意思表示が出来るようになったAが、「出ていけ」と言う他人に反抗などできるわけもなく。
かと言ってペーやんの言いつけを破る訳にもいかなかった。
どうしようかと悩んでいる内に一人の男の子がAの肩を強く押す。どうも何も言わず押し黙っている姿が癇に障ったらしい。
「テメェ喧嘩売ってんのか？！？」
「！」
慌ててAがフルフルと首を左右に振っても、男の子は聞く耳ならぬ見る目を持たない。
やがて拳を大きく振り上げられたAは、慣れたようにその目を瞑った。
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レモン - サイコーすぎんだろ‼️ 応援してます😆 (2022年7月2日 13時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ぺたごんさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行するつもりなので、続編もよろしくお願いします！ (2021年11月13日 8時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ぺたごん - すごくすき愛した だぁじに悶えてます 続編待ってます！ (2021年11月13日 1時) (レス) @page50 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ただのバカですさん» そうです三ツ谷くんです（笑）多分本文でも書くと思うんですけど、みつや→みつゃ→みちゃ 的な流れから、みちゃになりました。続きものんびり頑張ります！ (2021年10月23日 0時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - みちゃ？あっ、三ツ谷くんの事ね。え！？可愛くねぇ？みちゃだよ？胸取れるわ。ムフフ続き楽しみに待ってます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page45 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
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