全ての始まりの物語Ⅱ (ページ9)

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第５３話ページ9

ダビデは

お父様の父は死んだ。

これで、平和が訪れた。

私達は国へ戻り、二日が経った。

お父様は重症で、さっき目を覚ました。

ウーゴはレジスタンスの皆の家族が死んだのは自分のせいだと感じ、閉じこもってる。

レジスタンスの皆は、仲間や家族、同胞を失った悲しみから塞ぎ込んでる。

｢…なにかの、まちがい……｣

そう、これは“間違えた”なんだ。

あるはずの無い｢問題点｣

私は宛もなくブラブラとふらついていた。

ふと、フェニルの部屋の前まで来た。

そこから、部屋の中から啜り泣く声が聞こえた。

｢…っ……ひぐっ…｣

その声は、クロナスだった。

｢……わだ…私の…せいだ…

私が…Aを連れて基地の外へ出なけりゃ…
皆を守れたはずなんだ…！！
私が…皆を殺したんだ…！｣

クロナスも…みんなが死んだのは自分のせいだと思っているようだ。

｢…クロナス様…そんなことありません…
貴方様が責任を感じることなど…｣

｢私のせいだ！！そうなんだよ！！
多くの仲間が死んだ！！私達と笑いあって、泣いて、苦しんで、助け合った仲間が！！
お前の家族も！！！
異種族だろうと関係なく、私達人間と力を合わせて戦ったお前の家族も！！

消し炭になっちまったんだぞ…？
…私は力がある
知恵も、知識も、発想力も…
力がありながら…なんで守れなかった…？
守れたはず…守れたはずなんだよッッ！！！｣

｢………｣

泣き声は止まない。