全ての始まりの物語Ⅱ (ページ1)

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第４５話ページ1

｢貴方は罪もないこの国の人達を恐怖に脅かし、絶望へと招き入れようとした

今此処で、断罪を開始する｣

｢罪を裁く裁判官…いや神か。
素敵じゃないか、しかし今私は貴方様の姉上の体を持っている…
魔力量は愚か、魔法の知識も…貴方様は適わない。

御自分でも御存知でしょう？
貴方様は、姉上に勝ったことがないのですから｣

｢……魔導師としては…ね｣

素早くアビスの視界から消え、気配を背後に回る

杖を力魔法で変形し、大鎌へと変える

鎌を振りかざし、アビスへと振り下ろす

｢まだまだですよ｣

しかしアビスは避け、鎌は空振り。

体勢を立て直し、何度も斬りかかる。

どれひとつとして掠らない

｢くっそ…｣

『落ち着いて下さいA様
いくら得意武器でも大振りな鎌では不利です。

大丈夫、魔力や魔法を除く戦闘能力では、貴方様の方が上です』

一度杖の魔法を解き、杖はまた変形する

『この形でいきましょう』

｢これは…？｣

『以前、紅炎様にお教え頂きました。
小型の大砲のようなものらしいです。

その引き金を引くと小さい砲弾が出てくるのです』

｢最近の武器って発達してるね…｣

両手で支え、アビスに向ける

｢不思議な形の武器ですね｣

｢それは同感…っ！｣

引き金を引くと、大きな音と共に光の玉が高速でクロナスの頬を掠めた

｢…？防壁魔法(ボルグ)は…？｣

｢な、なにこれ…｣

『ただの光の玉ではございません。
どんな魔法でも解除する魔法をかけました。

これを数発でもクロナス様の体に当てれば、きっと二人を引きはがせます』

｢凄い…凄い凄い…！

…やっぱりフェニルは天才だね｣

『お褒めいただき、恐縮です』

｢…いっきに攻めるよ｣