【男主:MSSP】アリスになった【アリスパロ/短編2】 (ページ15)

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ただいまと言える家ページ15

「…お邪魔します」

フジはただいまと言えるわけもなくお邪魔しますと言う。

俺はなんというべきかわからないまま家に上がる。

あろまは何も言わないが紅茶の香りを漂わせていた。

「…フジか」

フジと俺とリビングへと歩くとあろまは三つのティーカップを出した。

「よく分かったね」

「分かってなければ追い出すまで」

あろまは顔を変えずに言った。

俺はフジと帰る家に行く訳でもないから正直ただいま、とも言えるわけじゃない。

そのことはあろまは分からないが察することはある。

だからこんなにも視線を感じるのか。

「……あろまさん、何か俺にあります？」

あろまさんは俺から視線を少しずつ逸らす。

「何でもない、フジにイラついただけ」

あろまさんはそう言ってフジさんにふった。

フジさんは驚いた顔で現状把握出来てない。

「な、何？」

しどろもどろしてる。

「なんでもないですよ、ただ困っただけみたいですから」

俺はそうフジさんに言った所、フジさんはそう、と俺の部屋に行く。

「なんで俺の部屋に入ろうとしてるんですか」

「特定席だから」

フジさんはあろまさんの家に住み着いてるんですか？

俺の部屋になったことも知ってるくせに。

フジさんってさりげない人。