【忍たま】君の想いは花筏【共通話11】

包帯の巻き直しの段 ページ9

いやー、清々しい！！

いつも涼しい顔の利吉さんを赤面させました！！
タカ丸君ならどうするかなと考えてやってみたけど、効果絶大だったな……。さすが私の中のタカ丸君。

これからも文次郎君がギンギン煩い時とかに適宜使っていこうかしら。喜八郎に知られたら怒られちゃうかな？


「はー。がっかり」


ふと誰かのしょんぼりした声が聞こえて声の主を探すと、どうやら三治郎君が逆茂木を眺めて呟いたようだ。隣にいる兵太夫君と共につまらなさそうな顔をしている。戦は終わったのに何をがっかりすることがあるのだろう？


「どうしたの？二人共」


「あ、Aさん。実は…」


「僕達が逆茂木に取り付けた大国火矢が日の目を見なかったので…」


逆茂木の弱点が火攻めだと知った二人は、弱点を逆手に取る為に逆茂木に大国火矢という大きな矢を取り付けたのだそう。
この大国火矢というのは火薬を搭載した矢であり、導火線に火がつくと推進用の火薬に点火し遠くへ飛んでいき、敵方に到達する頃にはまた別の焼夷用の火薬に火がつき、激しい炎が噴き出す、という仕組みらしい。考えた人天才か。


「そんな凄い仕掛けしてたんだ！？だったら相手方が恐れ慄く姿を見てみたかったよね…！」


「はい。でも戦は早く終わるに越したことないので」


「そうだね。それには代えられないよね！」


「きちんと切り替えられて偉いね。私だったら臼砲使われなかったら結構長く引き摺っちゃうかも〜」


「そりゃあ臼砲引くのと大国火矢の取り付けは手間が全然違いますよ。運ぶのにそんな怪我までされているし」


「あっ、包帯緩んできてるじゃないですか」


「手はどうしても動かしちゃうから緩んじゃってね。保健委員の誰かに巻き直して貰おうかな？」


「保健委員は手が空いてないと思いますよ。今、救護所で相手方の負傷者受け入れてますから」


私が利吉さんと話している間にそんな事になってたんだ。
敵兵まで治療しちゃうなんてさすが保健委員会！


「だからー、誰にしますぅ？？」


兵太夫君がニタァと笑んで私の顔を下から覗き込むように見上げた。


「ん！？何が！？」


「その包帯の巻き直しを頼む人物ですよぉ！立花先輩？それとも綾部先輩？」


「いやいや、我らが竹谷先輩ですよね？？」


三治郎君もニヤニヤと肘でつついてくる。


「いや、別に忍術学園に帰った後でいいよ…」


「ええーっ！」


「つまんなぁい……」


本当、この二人は人の恋路を楽しんでるよな…。

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