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8#静謐で美しい ページ9

雑談をしながら案内された先は、図書館というにはあまりにも独特な雰囲気を放つ建物だった。静謐で美しい。と、見惚れているうちに話が弾み、ジャーファルさんが勉強の手伝いをしてくれることに。_そして

『ジャーファルさん、ここって?』
「ああ、これはですね…」

2人で勉強会を始めて早3時間。外は暗くなり、綺麗な月が浮かび上がっている。

『わ、解けた。ありがとうございます』

「いえ、私はヒントを与えただけです。自力で解いたのはアレルさんですよ。よく頑張りましたね」

ジャーファルさんは私の頭を優しく撫でる。思えば、こうして誰かに撫でられたのは何十年ぶりかもしれない。人の手って、温かくて安心するな…。

『あなたは人を喜ばせるのが上手いんですね』
「…急に何ですか」

手が離れてしまった、残念。もうちょっと。なんて思ってしまうのは欲張りだろうか。

「さて、今日はもうこれで終わりにしましょうか」

そう言って私の荷物をさりげなく持ってくれるジャーファルさん。この人は優しくて頼りがいがあるだけじゃなく、紳士なんだな。

『ですね。帰りましょう』

私は彼の厚意に甘え、ジャーファルさんの隣で歩き出す。きっとジャーファルさんは私の歩幅に合わせて歩いてくれているんだろうな、彼にしては遅めに感じる。いろんな場面で私を気遣ってくれるこの人は、私だけじゃなくて誰にでも優しいのだろう。

現に彼は、
王を支え、国を守り、部下の鏡となっている。
すごいなあ…。

「アレルさん?」

『あっ、いえ、何も…。ただ、ジャーファルさんって、気づかいのできる素敵な男性だなと思いまして…』

いつの間にか彼を凝視していたらしく、思わず顔を背けた。そしてすぐ我に返る。あれ?なんか、恥ずかしいこと言わなかったか私?

ジャーファルさんに目を向けると、袖で口元を隠し、困ったように眉を下げ、月明かりでもはっきりわかってしまうほど真っ赤に染めた彼の顔があった。

おまけに

「タラシみたいなこと言いますね…」

と言われた。褒められているんだろうか、貶されているんだろうか。ひとまずここは褒められているということにしよう。それにしても…

『暑い、ですね』
「ここは南国ですから」

私の頬まで火照っているのは、きっとこの国の気温のせいだ__彼の熱が移っただなんて、信じない。

9#無知なお子様→←7#私に傷を付けた奴らへの



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冷水 - 完結おめでとうございます!終わってしまったのは寂しいですが、新作を楽しみに待ってます!これからも頑張ってください!! (2017年8月4日 14時) (レス) id: f2eb36356b (このIDを非表示/違反報告)
茶零 - 始めまして茶零、【されい】と言います。夢小説は書いていませんが、拝見させて頂きました。続きを楽しみに待っています。 (2017年7月20日 16時) (レス) id: 8e05751a55 (このIDを非表示/違反報告)
ひつぎ(プロフ) - スノーだるまさん» いえいえ!お役に立てて良かったです!コメントありがとうございました!! (2017年5月8日 17時) (レス) id: e51d76d422 (このIDを非表示/違反報告)
スノーだるま(プロフ) - ルフの属性紹介ありがとうございます!参考になりました! (2017年5月8日 6時) (レス) id: 1023204a37 (このIDを非表示/違反報告)
ひつぎ(プロフ) - ぱふぃさん» ぱふぃさん初めまして!わわ、私なんかに身に余るお言葉を下さるなんて…!ありがとうございます!(*´∇`*)更新がんばりますね!コメントありがとうございました!(≧▽≦) (2017年4月9日 19時) (レス) id: e51d76d422 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年1月6日 17時

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